第03回-理論の単位

ざっくり基本編-目次
- [第01回] 雰囲気理論
- [第02回] 理論の基礎
- [第03回] 理論の単位
- [第04回] 理論の全容
- [第05回] 音楽の構造
- [第06回] 旋律=自身
- [第07回] 進行=物語
- [第08回] 調性=世界
- [第09回] 理論の位置
- [第10回] 基本まとめ
7音が単位
前回までで基礎となっていることはわかったよ。
・音楽のすべての音は7種類の役割に分類される
・その7種類の音の高低変化で全ての音が作られる
ってことだよね。
そうね。「7種類じゃなくっても例えば3種類でも高低変化で全ての音作れるじゃん」って読み違いしないでね。前回の主張は「音楽の中心核には7種類の役割がある」ということね。ただ、それが具体的な7音としてばちっと決まってるのではなく、揺らぎがあって他の色々な音階が生まれてる、って考えよ。

んーでもでも7種類って意味だと、一般的な音楽理論と変わらなそうだけど…。7CM理論はどんな特徴がある理論なの?
例えばコード理論だと『コード』という単位を軸として音楽の状態を切り取っていくよね。
コードという単位で切り取る??…あ!ディグリーネームで見ていくような話?例えばハ長調で
Fコード
↓
Gコード
↓
Cコード
っていう進行があったら
F=Ⅳ=サブドミナントの静かな始まり
↓
G=Ⅴ=ドミナントでトニックに行きたくなって
↓
C=Ⅰ=トニックへ着地!
教科書通りの強い進行だ、みたいな。
そうね。
・今のコードが何コードで
・調から見るとどういうもので
っていう『コードが主体』の見方よね。
7CM理論はどんな単位で音楽を見るの?
7CM理論は『7つの音』という単位で音楽世界を見ていく理論なの。もちろんある瞬間に7つの音全部が出揃ってるわけなんてないし、逆に8つ以上の音となることもあるの(後者は少し先の難しい話になるので割愛するね)。
7CM理論は7つの音を単位に音楽を切り取る
ひょえ~ちょっと難しそう…?
でも瞬間瞬間で見て7つの音が出揃ってないこともあるのならいったい7つの音って何なの?
第1回で言ったように7CM理論は雰囲気理論なので、鳴っていない音も含めて考えるの。『その瞬間に鳴らしても違和感がない』と心が思ってる音、心にしみついている音まで考える理論なの。
へー。雰囲気理論らしいね。それを考えるっていうのは具体的にどういうこと?
7CM理論は
①今この瞬間に7音が心にあって
②メロディも伴奏も7音のどれかになってて
③その7音が音楽世界の雰囲気を決めてる
って見方をする理論なの。つまり、
『今実際に聴いている音(メロディ/和音)の背景に7つの音が存在している。それを考えることで雰囲気をコントロールしよう』
という理論なの。
7CM理論は実際に聴こえている音の背景にある7音に着目する理論
コードやメロディよりも深いところの話なんだね。
7種類…ん?でももし音が7種類からはみ出した場合は?
ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ
だけだったのに途中から出てくるラ♭とか。
『 ②メロディも伴奏も7音のどれかになってて』
ではなくなるよね?
基本的には、その瞬間ラとラ♭が交換されて
ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ♭、シ
の7種類になったって見るの。つまり7音が変わったって見るのね。だから②「7音のどれか」になるの。以下のアニメーションのイメージね。

この具体的な7音のことを7CMって呼ぶの。7 Color Materialsの略で7CMは様々変わるのよ。むしろその変化がこの理論の肝になってくるのね。
具体的な7音のことを7CMと呼ぶ
ドレミファソラシは7CM
椅子取りゲームみたいだね。7つの役割が椅子で、突如出てきたラ♭がラから椅子を奪うみたいな。
まだなんだかフワフワしたままイメージがわかないからさ、適当に理論使った例を教えてよ。
そうね、じゃーハ長調で適当な例を書いてみるね。
F→G→C→A7(♭9)→Dm→Bdim7→C
のコード進行で、
①A7(♭9) in APhrHm | DHm
②Bdim7 in CHM
がin CNMからの7CM変化状態。
①は音楽理論的には下属短調の短調ドミナント感があるモーダル状態。R多層のDHm上で複機能のD機能を持ち、次のDmへ強…
~(略)~
ここで手法として♮13をメロディなどで触れてあげたりすると、DHM側に調性が傾いて…
~(略)~
かたや②は音楽理論でいう短調ドミナント(E7)的なdim7ではなく、HM上のL機能。いわゆるサブドミナントマイナー(Fm)的な優しいdim7。だけどFmに比べてL機能なので…
~(略)~
ちょちょちょちょっと、いきなりわけわかんないよ💦
…あれ?単位はコードではないって言ったけどコードも見るの?
うん、基本的には従来の音楽理論と同じコード表記で見ていくよ。もっと言うと7CM理論はコードに特化しないからコードを汎化拡張した『束』っていう概念もあるの。
そもそもコードや束は、7つの音からの選択で構成されたものとして捉えるから、コード理論も7CM理論上の一部としてカバーするの。
深い地下層にある理論って感じだね。その7音の単位で見るとどんなことが見えてくるの?
前回さらっと言ったけど、「7つの音の形によって音楽の様々な雰囲気・空間が変わってくる」の。具体的な7音に着目することで音楽内の雰囲気をコントロールしていくのね。
コード理論が「このコードはこんな性質(雰囲気)」と深堀していくものだとすると、7CM理論は「この7音はこんな雰囲気」を深堀していって…
次回
次回の7CMざっく理論は「理論の全容」についてよ。 7CM理論で見えてくることのお話よ。