第04回-7CMの全容
ざっくり基本編-目次
- [第01回] 雰囲気理論
- [第02回] 理論の基礎
- [第03回] 理論の単位
- [第04回] 理論の全容
- [第05回] 音楽の構造
- [第06回] 旋律=自身
- [第07回] 進行=物語
- [第08回] 調性=世界
- [第09回] 理論の位置
- [第10回] 基本まとめ
7CMで見えること
7音の単位で見るとどんなことがみえてくるの?
雰囲気とその雰囲気の中で持つ和音の機能、そしてその感触がわかるの。
コード理論が「このコードはこんな性質(雰囲気)」と深堀していくものだとすると、7CM理論は「この7音(7CM)はこんな雰囲気」を深堀していって、その7CMを武器に音楽を自由自在に操っていく理論なのね、とてもざっくりだけど。
感触?ってのはよくわからないけど、雰囲気だったらコード理論でもディグリーでなんとなくわかるけどなぁ。もうちょっと教えてよ。
そうね。7CM理論の立て付けは
・『光彩』
・『機能と束』
という2つの基本軸と
・『多層』
という応用軸から成り立ってるの。
ん、なんか新しい話になったね。面白そう。
前回までに、音は7種類の役割を持つって話をしたね。この分類を、
1度類、2度類、…7度類
って分類して、この表記・呼び方を簡易度数類って呼ぶの。
ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シで言うと、
ドが1度類
レが2度類
・
・
・
シが7度類
…っていう感じ?
ハ長調ではそうね。基本的に調の中心音(ハ長調の場合はド、イ短調の場合はラ)を1度類として、上行方面に順次2度類、3度類…って振るの。
ふむふむ。
7種類の音の役割を、中心音を1度類として順次2度類、3度類、…7度類と割り振る
1度類~7度類を簡易度数類と呼ぶ
ハ長調の簡易度数類は、ドは1度類、レは2度類、ミは3度類、ファは4度類、ソは5度類、ラは6度類、シは7度類
そして、その簡易度数類はそれぞれに『光彩』『機能』という独立した役割を持つの。
独立した役割…?同じ機能でも別の光彩だったりするってこと?
そのとおりよ。『光彩』と『機能』は別の次元なの。そして同じ度数類の中の音高の変化によって、役割内の効果が変化していくの。
例えばレという音に対して
・レ♭
・レ
・レ♯
という音高変化のブレ幅で『光彩』や『機能』も変化していくの。同じ簡易度数類の中で変化があるの。
(もっと細かくこれらの中間の微分音も見ていいね…これは脱線するので割愛するね)
簡易度数類ごとに『光彩』と『機能』の役割を持つ
ははぁ。なんとなくぼんやりわかる気がしてきた…でもちょっと具体的な話が聞きたいな。いい例ない?
わかりやすい例だと、長調と短調に代表されるメジャースケールとマイナースケールなんてどう?
あーわかるよ。
ハ長調
=Cメジャースケール
=ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ
の空間で明るい
ハ短調
=Cマイナースケール
=ド、レ、ミ♭、ファ、ソ、ラ♭、シ♭
の空間で暗い
って話だよね。7CM理論ってスケールの話なんだね。
そうね。スケールという言葉はコードスケールをイメージする人が多そうだけど、7CM理論では主にキーから見たスケールで調性を語るの。
この長調と短調のケースで簡単な例を言うね。3度類の『光彩』は「主明度」って役割なんだけど、メジャースケールとマイナースケールを並べるとこうなるの。
《光彩観点》
・ハ長調はCメジャースケール
→Cメジャースケールの3度はミ
→3度類が高い状態
→主明度が高い状態
→明るい状態
・ハ短調はCマイナースケール
→Cマイナースケールは3度がミ♭
→3度類が低い状態
→主明度が低い状態
→暗い状態
ってね。
3度類の持つ光彩役割が、調性全体の明るさ/暗さの『明度』を表しているってことなんだね。なるほど、確かに長3度は明るくて短3度は暗いもんね。
他の簡易度数類にもそういった役割があるの?
えぇ。大枠は
・明度
・彩度
・輝度
の3種類と、『光彩』ではない
・柱
の4種類あるの。次回以降で教えるね。
うん。『機能』だとどうなるの?
簡単な例で、5度類の『機能』は「D機能」って役割なんだけど、
《機能観点》
・5度類はD機能
→ハ長調の中でもハ短調の中でもD機能
→Tであるドへの動力が一番強い
のような感じね。
DとTが何者かわからないとちょっとよくわからないなぁ…。
あ、トニック(T)とかドミナント(D)ってこと?なんだかコード理論と似てるんだね。
そうね、『機能』は割とコード理論と近い内容よ。若干違いはあるんだけど、従来の体系を細かなブレや例外も含めて説明できるような単位になってるの。これも次回以降ね。『束』と合わせて説明するね。
…『多層』は
もっともっと後で!
…はい💦
次回
『光彩』『機能と束』の話に入っていく前に、次回からの7CMざっく理論はしばらく「音楽の構造」について可視化していくね。