第10回-基本まとめ
ざっくり基本編-目次
- [第01回] 雰囲気理論
- [第02回] 理論の基礎
- [第03回] 理論の単位
- [第04回] 理論の全容
- [第05回] 音楽の構造
- [第06回] 旋律=自身
- [第07回] 進行=物語
- [第08回] 調性=世界
- [第09回] 理論の位置
- [第10回] 基本まとめ
さて、ここまでで7CM理論のざ~っく理論の基本は以上よ。少し振り返ってみようかしら。
うん。まず音には7種類の役割があるってところが根底だね。
ある雰囲気を感じてる状態では実際の音も7つ以下になってることが多くて、その音の組合せを7CMと呼ぶ。7CM理論の単位はこの7CMで、7CMが音楽を切り取る単位だったね。
そうね。そしてこの7種類は『簡易度数類』と呼ばれて、調性の中心音を1度類として7度類まで割り振られていたね。
単純なハ長調なら
1度類=ド、
2度類=レ、
3度類=ミ、
4度類=ファ、
5度類=ソ、
6度類=ラ、
7度類=シ
になるね。
その〇度数類の中で実際の音が♯や♭して音高が変化すると別の7CMになるんだよね。
1度類=ド、
2度類=レ、
3度類=ミ♭、
4度類=ファ、
5度類=ソ、
6度類=ラ♭ 、
7度類=シ♭
となるとハ短調のように。
そうそう。その『役割』には何があるのかしら。
1つは『光彩』という役割、そしてもう1つは『機能』という役割がそれぞれ独立して存在するって話だった。
『光彩』は調性の雰囲気を担うんだよね。例えば3度類は『明度』を表していて、高いとその調性は明るいし低いとその調性は暗い、と。ハ長調に比べてハ短調が暗いように。
うん。そして『機能』はコード理論のドミナントやトニックのような概念に近い単位って話だったね。
そしてここからは理論体系の位置づけ把握のための例え話。音楽を聴いている人の心の中を可視化する話ね。
うん。可視化として、
・メロディは自分
・伴奏は出来事
で、
・メロディが高まれば感情高まる
・和音の進行で物語が進行する
んだね。
そして音楽における調性は、聴者がいる音楽世界そのもので、それらすべてを作り出してるのが7CMだったね。これを世界の根幹として、次の図のように4層で見たね。
L4層:メロディ
L3層:伴奏(和音)
L2層:7CM
L1層:中心音
地上のメロディも伴奏(和音)もすべて地下の7CMが創ってる、というのは言い換えれば「地下の7CMにない音が地上に出てきたときは、地下の7CMが変化したと考える」という話だったね。
そう。卵が先か鶏が先かのような話だけど、7CMに世界が支配されている、と考えることが肝なの。
この音楽世界の可視化の中で理論の立ち位置を見てみると、コード理論は主にL3層(とL1層)を見ていく理論のようだったね。言ってみれば、別の世界(=別の調性)も含めて
・地上だけを見ている
ような状態ね。
7CM理論は
・地上を見て地下を掌握する
・地下から地上の音楽世界全体を変化させる
の地上/地下両方から見る理論だったね。
そう。手法論として双方の例を挙げれば…
《地上から地下を掌握》
世界:イ短調(Amキー)状態で、
地上:EmコードをEコードに変化させると
↓ ↓ ↓
地下:7CMがハーモニックマイナーに変化
世界:世界がキツく暗い雰囲気に変化
《地下から地上を制御》
世界:イ短調(Amキー)状態 で
世界:暗いままキツい雰囲気にしたい
↓ ↓ ↓
地下:7CMをキツいハーモニックマイナーする
地上:EmコードがEコードに変化する
という視点ね。
つまり「どういう7CMがどんな雰囲気か」を知っていれば、地下を考えることで地上で何をすればいいか(メロディの動き、コードの変え方)がわかる、そういう理論になってるんだね。
そう。そうやって好きな雰囲気へとどんどんアレンジができていく。光彩として明るすぎる流れに陰りを落としたり、サビを引き立てるために直前で甘美な和音を挟んだり。更には機能観点で物語の進行力に緩急をつける代理和音選定をしたり。
…?その辺の話もっと聞きたい!
次回
次回からはざっく理論の範疇で、もう少しだけ掘り下げた『光彩の概要』の話をしていくね。