第18回-モード7CM
ざっくり光彩編-目次
- [第11回] 光彩の概要
- [第12回] 自然な光彩
- [第13回] 光彩残り香
- [第14回] 自然の重力
- [第15回] m系代表型
- [第16回] SDmの出身
- [第17回] M系代表型
- [第18回] モード7CM
- [第19回] 応用:D表記
- [第20回] 光彩まとめ
さて、前回までで代表的な型は聴いてきたね。
うん。自然調性の
・NM
・Nm
を筆頭に、マイナー系7CM代表型の
・Hm
・Mm
・Wm
から、メジャー系7CM代表型の
・HM
・MM
・WM
まで聴いたね。
ここからは次の代表的な型に進んでいくね。その名もモード7CM。
モード
調性としてのモードの捉え方
モードって聴いたことあるよ。チャーチモードだっけ?ジャイアンとかバーミヤンとかドリアンとか・・・
。。。
そう(そう?)ね。キーワードとして
・アイオニアン
・ドリアン
・フリジアン
・リディアン
・ミクソリディアン
・エオリアン
・ロクリアン
っていうのは聞いたことあるかもね。よく言われるのは上から順にメジャースケールの開始音をずらしたものって言われるね。つまり、型としてはすべて同一の型になってるのね。
あぁ、そ、そうだね・・・💦
え~っと、
・Cアイオニアン=
{ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ}
・Dドリアン=
{レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ド}
・Eフリジアン=
{ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ド、レ}
・Fリディアン=
{ファ、ソ、ラ、シ、ド、レ、ミ}
・Gミクソリディアン=
{ソ、ラ、シ、ド、レ、ミ、ファ}
・Aエオリアン=
{ラ、シ、ド、レ、ミ、ファ、ソ}
・Bロクリアン=
{シ、ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ}
だよね。全部CNMと同じ音たちだよね。
そうね。覚え方としてはそうなんだけど、モードで大切なのはモード特有の響きであって、自然調性と乖離する音は特に特徴的に浮かび上がって来るの。
というと・・・?
CアイオニアンとGミクソリディアンを並べるのではなくて、CNMとCミクソリディアンを並べて比較するの。つまり・・・
あ、同じ中心音で比較して、ほかの音たちがどのようにずれてるかってのをこれまでと同じように光彩で見てみるんだね!
そのとおり!NMやNmとどう光彩がずれているか、が7CMとしては重要になって来るの。
1つずつそのモード7CMがどんな光彩で調性としてどんな雰囲気になるものなのか見ていくね。
Ion(アイオニアン)
まずはアイオニアン。これはNMと同じ型ね。Ionと表記して、C(ド)が中心の場合はCIonって書くの。
一番聞き慣れてる形だね。
Lyd(リディアン)
続いてはリディアン。Lydと書いて、C(ド)が中心の場合はCLydって表記するよ。
なるほど、NMの上輝度が高くなってるんだね。
えぇ。NMをギラッギラにした空気感よ。
Mixo(ミクソリディアン)
続いてメジャー系の最後、ミクソリディアンよ。Mixoって書いて、C(ド)が中心の時は、CMixoって表記するの。
輝度の両方(主:7th、上:4th)ともが下がっているんだね。明るいけど少しどんより陰ってる感じかな
Aeo(エオリアン)
ここからマイナー系のモード。マイナー系というのは、主明度(3rd)が低い状態ね。
一般的な長調と短調の差だね。
そう。まずは簡単なもの、Aeoと書いてエオリアンと呼ぶわ。Nmと同じ光彩よ。C(ド)が中心の時はCAeoと書くわ。
短調系の7CMの比較元となる自然調性の1つだね。
そうね。そして、NMと比較すると主要光彩の
・主輝度
・主明度
・主彩度
のすべてが低くなった状態ね。
Dor(ドリアン)
続いてはドリアン、Dorと表記してC(ド)が中心の時CDorと書くわ。
自然調性のNmからすると主彩度(6th)が高くなって色彩感鮮やかになった7CMだね。
Phr(フリジアン)
続いてはフリジアン、Phrと書いてC(ド)が中心の時はCPhrって表記するの。
自然調性Nmの下彩度(2nd)を下げた7CMなんだね。
そうね。自然に暗いNmの下彩度(2nd)を下げると凄くどんより暗くなるわ。
Loc(ロクリアン)
そしてこれは少し異質な7CM、Locと書いてロクリアン。C(ド)が中心の時はCLocと書くの。
どこが異質なの?
音楽世界の調性は、5度柱が支えているの。でもね、見てみて。柱が根っこで折れてるでしょ?
えっと上調柱(5th)が下がってるね、あぁ…なんだか不吉だね。
そうなの、、、とても不吉な世界観を持つ7CMなの。
中心音以外の光彩がすべて下がってるっていうのも異常だね。
それもそうね。そういう意味だと、中心音の真上(完全5度積み重ね上)には誰もいないって見方もあるわね。
世界が崩れていく5度積み塔
なんだか不規則で覚えにくいね。
実はね、凄く規則的なの。全ての礎になる一番下の中心音から完全5度で積んでいって、7つの音を定めた形がLydでしょ?再掲するね。
うん。調柱からまっすぐ塔が建ってるみたいだね。
そう。まっすぐっていうのは天井までの全てが完全5度の距離にあるってことね。ここからこの塔を1個ずつ左にずらして崩していくと全てのモード7CMが得られるの。
・完全5度塔を建てる→Lyd
・一番上を折る→Ion
・もう1個下を折る→Mixo
・もう1個下を折る→Dor
・もう1個下を折る→Aeo
・もう1個下を折る→Phr
・もう1個下を折る→Loc
どこを折るかで全て出てくるの。
おー。塔を折る箇所が下がるにつれて少しづつ光彩が下がって暗い方に向かってるってのが可視化されてるね。
そうね。そして重要なのは、1か所左に折るだけの状態は
・完全5度×6個
・減5度×1個(左に折った箇所)
の間隔に必ずなって、型としてNMやNmの転回系になるの。つまり、型として自然調性と同等に安定している状態のままだんだんと光彩加減が暗くなっていくってのが見てわかるね。
次回
ここまでで代表的な型はおしまいよ。まだまだよく使われる型もあるんだけど、これまでの型の掛け算のようなものだったり多層上のものだったりするので、それはもっと後の方で見ていくね。
次回は…っとまだかけていないので、先に7CM理論のもう1個の大事な話、機能論の方を読んでみてね。