第11回-光彩の概要
ざっくり光彩編-目次
- [第11回] 光彩の概要
- [第12回] 自然な光彩
- [第13回] 光彩残り香
- [第14回] 自然の重力
- [第15回] m系代表型
- [第16回] SDmの出身
- [第17回] M系代表型
- [第18回] モード7CM
- [第19回] 応用:D表記
- [第20回] 光彩まとめ
なんとな~くざ~っくり7CM理論の雰囲気はわかってきたよ。だけどもうちょっと『光彩』とか『機能と束』とかの話を聞きたいな。
それじゃー、ここから少しだけ『光彩』の話をしていくね。
光彩と柱
まず、調性はその世界を支える『柱』と、世界を彩る『光彩』の大きく2種類で出来ているの。
そして『光彩』は大きくは『明度』『輝度』『彩度』の3つに分類されるの。色や光のバロメータでその雰囲気を見るの。
なんだか視覚的だね。明度は明るさ、彩度は色の鮮やかさ、輝度は光源の眩しさとかそんな感じ?
そうね。その感覚を音の世界に持ち込んだのが、7CMの『光彩』って概念よ。
具体的には何がどう分類されるの?
細かくは次のように分類されるの。()の中はハ長調の例ね。
《調性柱》
1度類(ド):下調柱
5度類(ソ):上調柱
《明度》
3度類(ミ):主明度
《輝度》
7度類(シ):主輝度
4度類(ファ):上輝度
《彩度》
6度類(ラ):主彩度
2度類(レ):下彩度
んん…??「主」とか「下」とか「上」とか何??それに数字に規則性がなさそうだし…??
ちょっと文字にすると見にくいわね。円状に簡易度数類を並べると次の図のようになるの。上部の1度類から順に半音ずつ時計回りよ。
1度類から順に
柱⇒彩度⇒明度⇒輝度⇒
柱⇒彩度 ⇒輝度
ってなってるね。明度を除けば
柱⇒彩度⇒輝度⇒…
って順だね。
そうね。とてもいい着原点よ。1度類の柱、5度類の柱どちらに関しても
・柱の1度上は彩度
・柱の1度下は輝度
となっているの。
例えば…そうね、私の聴感(感情)で書くと、
・レードー(またはラーソー)
↓が変化して↓
・レ♭ードー(またはラ♭ーソー)
になったら彩りが薄くなりどんより陰った感じ。
・シ♭ード―(またはファーソー)
↓が変化して↓
・シード―(またはファ♯ーソー)
になったら、太陽光がギラっと輝きを増した感じがするの。
つまり、柱の1度上が鮮やかさに関わる彩度で、1度下が光源のギラつきに関わる輝度ってね。
でも、主とか上下っていうのは何?上柱に近い輝度と下柱に近い彩度ってこと?
その理解でもいいわ。本来は
・下彩度
⇒下属調の彩度の意味
例:ハ長調の2度類(レ類)はヘ長調の6度類
・上輝度
⇒(属調を仮に下属調と対比的に”上”属調という感覚で見て)上属調の輝度の意味
例:ハ長調の4度類(ファ類)はト長調の7度類
を意図してるんだけどね。直感的にわかる表現としてもう1個可視化するわね。
倍音とか物理的な難しい話はおいておいて、音はハーモニー的には完全5度上の音が近しい音になるのね。他の音より強く纏まる音、のようなイメージね。
完全5度上というと、ドの完全5度上はソ、ソの完全5度上はレ、レの完全5度上はラ…ってことだね。
ドとソがよくまとまる、なんとなくわかる。
そうね。その5度を簡易度数類として1度類から積んでいくとこうなるの。ハ長調の具体例だと下からドソレラミシファよ。
あ、綺麗に『柱』『彩度』『明度』『輝度』がグルーピングされたね。なるほど、そういう並びなんだ。
そして『柱』の下と上が「下柱」と「上柱」で、『光彩』の下と上が「下彩度」と「上輝度」になるんだね。なんとなく上下の表現が感覚的になったよ。
それはよかった。そして図にはもう一つ重要なグルーピングがあるんだけどわかる?
えーっと、色が濃いところ…?あ、全部『主』が付くね。
そのとおりよ。調性雰囲気に大きく影響を与える光彩が3,6,7度類なの。この数字に何かピンとくるかしら?
えーっと、なんだろ。3,6,7度数類ってハ長調(Cメジャーキー)だとミ、ラ、シ…。あ!これらが♭になるとハ短調(Cマイナーキー)だ!
そう、これらが変わると長調が短調に/短調が長調にまるっと変わっちゃうくらい重要な役割を担ってる簡易度数類なの。この3つを主光彩とも呼ぶの。
1度類は下調柱、5度類は上調柱、単に調柱とも呼ぶ
2度類は下彩度、6度類は主彩度、単に彩度とも呼ぶ
3度類は主明度、単に明度とも呼ぶ
4度類は上輝度、7度類は主輝度、単に輝度とも呼ぶ
3度類、6度類、7度類は主光彩、調性を長調から短調/短調から長調に変えるくらい重要な光彩
2度類、4度類は副光彩と呼ぶ
次回
次回は『光彩の変化』よ。これらの役割の中で実音が動くとどうなるのかっていうお話よ。