第16回-SDmの出身
ざっくり光彩編-目次
- [第11回] 光彩の概要
- [第12回] 自然な光彩
- [第13回] 光彩残り香
- [第14回] 自然の重力
- [第15回] m系代表型
- [第16回] SDmの出身
- [第17回] M系代表型
- [第18回] モード7CM
- [第19回] 応用:D表記
- [第20回] 光彩まとめ
Nm基準で型が変化したバリエーションのHm、Mm、Wmについてみたね。なんとなく光彩の感じと特徴はわかってきた気がするよ。今回からは長調系だったね。
そうね。今度はNM基準で型が変化している代表的なものを2回に分けて見ていくね。キーワードは「サブドミナントマイナー」よ。
メジャー系代表型
HM(ハーモニックメジャー)
まずは、あまり意識されることはないけど大活躍している7CMよ。ハーモニックメジャー、表記はHMで次の例は中心音がド(C)なのでCHMよ。
ほ、ほぉ…(聴いたことないな…)
CNMの主彩度(6th)を下げた7CMをハーモニックメジャーと呼び、HMと表す
ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ♭、シはCHM
明るく始まったのに後半ぐぐっと妖しさ漂うね。でもやっぱり明るさは明るいって感じ。
主明度、主輝度がNMと同様で明るい方向の光彩なんだけど、主彩度が下がって鮮やかさに陰りが出てる調性なの。
うーん。。これ本当に大活躍してる??全く馴染みないんだけど…。
HM(ハーモニックメジャー)お手軽使い方
サブドミナントマイナーって知ってる?
うん、Ⅳmだよね。ハ長調のように中心音がド(C)だと、Fmだね。この「ドレミファソラシド」の後の2小節目のコードだよね。
これって同主調であるハ短調の借用だからこの話関係ないんじゃない?
一般的に語られるのはそうね。セブンスコードにするときにFm7を使うこともあるけど、FmM7とすることもあるんじゃない?さっきのFmをFmM7に差し替えたサンプル聴いてみて。
うん、不安定でとても切ない感じだね。
FmM7={ファ、ラ♭、ド、ミ}
もよく聞くね。
でもそれはあくまで
Fm7={ファ、ラ♭、ド、ミ♭}
としちゃうとミ♭が元の調性
CNM={ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ}
から外れすぎちゃうから、聴き馴染んでる方のミを使ったら結果的にFmM7になったってだけじゃない?
Fm7だと割とスカッと調性感が変わっちゃうこんな感じだよね。
7CM理論の基本的な考え方は…?
え~っと
『鳴ってない音も含めてその瞬間の7つの音を掌握する』
…
…
…あ、FmM7のときはそれを地下で支えている7CMは同主調のものじゃないってこと?{ファ、ラ、ド、ミ}を含むような別の7CMが背景にいる…?
そうね、となるとFmM7はハ長調の同主調であるCAeo(※)のコードではなくって、例えばCHMのコードって考えれるね。
※CAeoの定義は今度やるね。型としてはCNmと同じ型よ。
一般的にサブドミナントマイナーと呼ばれるコードの一部が代表コードになる
Ⅳm、ⅣmM7、Ⅱm7♭5、Ⅶdim7(in CでのFm、FmM7、Dm7♭5、Bdim7)などが代表コードで、HMの彩度の落ちた陰った雰囲気を与える
なるほどー。じゃーサブドミナントマイナーのⅣmは同主調ってだけじゃなくってHMの出身でもあるんだね。
前回は確かNmに対して
・Hm
・Mm
・Wm
っていう変化形の7CMを教えてもらったけど、メジャー系もNMに対して変化していくのはHM以外にもあるの?
お察しの通りで
・HM(ハーモニックメジャー)
の他に
・MM(メロディックメジャー)
・WM(ダブルハーモニックメジャー)
もあるの。そして今回話題に上がったサブドミナントマイナーのⅣm(Fm)はこれらの出身でもあって…
次回
次回はその他メジャー系の代表型であるMMやWMについても紹介するね。HM、MM、WMでのコード進行サンプルで聞き比べてみてね。