第13回-光彩残り香
ざっくり光彩編-目次
- [第11回] 光彩の概要
- [第12回] 自然な光彩
- [第13回] 光彩残り香
- [第14回] 自然の重力
- [第15回] m系代表型
- [第16回] SDmの出身
- [第17回] M系代表型
- [第18回] モード7CM
- [第19回] 応用:D表記
- [第20回] 光彩まとめ
NM(ナチュラルメジャー)とNm(ナチュラルマイナー)という7CMは理解したよ。その2つが自然調性と呼ばれるってこともわかった。
ところで、この自然調性が他の7CMの基準になるっていうのはどういうこと?
ここからは『残り香』と『自然調性重力』について説明するね。
残り香
まずはこれを聴いてみてね。in CNMで、2小節目でD7を通っていくようなイメージね。
in CNM!早速でたねその表記(笑)
2小節目で雰囲気が変わるね、でもよくありそうな展開だね。
そうね。2小節目ではCNMにはないファ♯が出てくるから(いい意味での)違和感を覚えて味が出てるね。
でも基本的にここはCNMの世界だったから、このあとファ♯が出てくるとどうなるのかな?これを2小節目最後にもう一回ファ♯を鳴らすと?
メロディ:ファ♯ソーラーファ♯
しっくりくるね!
in CNMにないファ♯を鳴らしても違和感を感じないということは、このときファ♯を受け入れる心になってるよね。
そうだね。でもそれはコードが継続してるからじゃないの?
そう。でもね、その発想は逆で「ファ♯を受け入れる状態が続いてるから、コードが継続してるって考えよう」とも言えるよね。そもそもコードの区切りってどこ?なんでベースが次の拍でレからミに変わっても同じコード継続って感じてるの?って話で。
そっか、確かにベースのミの時を切り取ると音は「ミとソ」でDコードは関係ない状態ではあるね。何をもって同じコード内って考えるか・・・。
うーん、雰囲気が同じかどうかって感覚じゃない?
そうね。雰囲気を察する感覚が音楽ではとても大切、理論は後付け。これをその「後付け」のために考えていくと
同じ雰囲気に感じる
=同じコード(D7)に感じる
=構成音(ファ♯)を鳴らしても違和感がない
=構成音(ファ♯)が心に沁みている
とも考えられるよね。この直前に聴いた音を心が許容してしまう現象やこのファ♯自体のことを音の残り香って呼ぶの。
直前に聴いていた音を許容する状態およびその音のことを音の残り香と呼ぶ
あ、なるほど。ファ♯が残り香として心に沁みてるってことだね。でもこれは同一コード内だけなのかな。
基本的に7CM理論では残り香は7CM単位で考えるの。つまり同一7CM中は引きずってるって考え方ね。もちろん今感じているように同一コード中であれば更に残り香が濃いなどの濃さ薄さの違いはあるけどね。
そして7CMが変化した状態は一定期間継続する。7CM理論でとても大事に考えている音楽の性質の一つよ。さっきの論理展開表現を7CMに置き換えるとこうね。
(以降、CNMのファを♯したものをCLydと書く(定義は別途))
同じ調性感に感じる
=同じ7CM(CLyd)に感じる
=構成音(CLyd)を鳴らしても違和感がない
=構成音(CLyd)が心に沁みている状態=残り香
この例の状態だと、7CMは
ドレミファソラシ(CNM)
から
ドレミファ♯ソラシ(CLyd)
に変わった状態が続いていると考えるの。
あ、そっか。コードは7CM内の音で構成されてるって考えだったね。D7のようにコードが元の7CM外の音になったらその背景にある7CMも変わったって考えるんだ。
でも一定期間ってどういうこと?
それはね・・・
次回
次回は自然調性に働く重力について説明するね。調性音楽のとても重要な性質なの。