7CM理論-進行と停滞
ここから先は、新しい理論体系『7 Color Materials』の内容となります。従来の音楽理論等や、聴いてる人の感情から逸脱するような表現や整理が生じる可能性がある点、ご理解の上読み進んでいただきますようお願いします。
記事の構成、内容、公開スコープは予告なく変更することがあります。
和音束(いわゆるコードなど)がもつ機能感は、どこから接続してきたかによって変化する。その単位である進行について定義する。
引力の分類
基本引力、調性引力の手記において、引力については以下3種類があると記述した。
- 調性引力①T引力:中心音に向かう引力
- 調性引力②D引力:5度下に向かう引力
- 調性引力③L引力:2度上下に向かう隣接音引力
特に引力②,③については調性に関係なく存在している引力、つまり中心音の存在有無に依存せず、調性内においても各音の間に働いている引力である。
下のin CNMの図で言えば、引力①が赤、引力②が青、引力③が黄色の矢印で、中心音が変わると赤矢印のみが大きく変化する。※引力②、引力③も調性内の音を目がける補正は働いている。
in CNMにおいてA音にはC音へ引力①、D音へ引力②、G音やB音へ引力③が働いている。これがもしin DDorだった場合、引力①は変化してD音への引力となるが、引力②、引力③は変更なく同音へ働く。
引力=進み先の心の期待
引力とは言い換えれば心の期待である。ある状況にいるとき「次にあっちの空間にいきたい」と思う先が引力先であり、実際にそこに接続したとき心は満足感を得る。
G7にいるとき、心がCを期待する(※)。Cに進行したとき大きな満足感を得る。※期待先は一意ではない。程度も状況によりさまざまである。
この引力先というものがこれまでに記述した調性内引力であるT引力、D引力、L引力のことである。そして重要なのは、心は自然とその引力先を期待しており、その引力に従って接続したときに満足感・物語の進行感をえる、ということである。
引力は心の期待であり、その方向へ接続したときに心は満足感・物語が進んだ感を得る。
DmからG7に接続した。ぐぐっと進んだ感・納得のある満足感を得た。(D引力の期待を満足)
DmからCに接続した。前進した感じ・満足感を得た。(L引力およびT引力の期待を満足)
G7からDmに進行した。あまり手ごたえや進んだ感じがしなかった。(T,D,L引力のいずれも満足せず)
進行と停滞
この「心の期待する方向に接続した」聴感に対し分類のための定義を与える。
基本定義
D引力、またはL引力に乗っかる接続のことを進行とよび、接続することを進行する、と呼ぶ。
CからDmへの接続は、L引力上の接続であり進行している。
進行しない接続のことを停滞と呼ぶ
CからEmへの接続は、D,Lいずれの引力上の接続でもないため停滞している。
接続は必ず進行か停滞のいずれかとなる。
これは「引力に乗っかった接続か否か」つまり「心の期待に応えた接続か否か」という聴感心理に対応する定義である。
いくつか表現としてよく使う記号や類語を定義する。
コード進行表記
小調性間の接続のシンボルを定義し、小調性間の進行(いわゆるコード進行)を表現する。以下では「どの引力の話か」がわかるように色付きで記載するが、定義に色までは含めていない(あくまで「⇒」「→」「ー」の3種である)
小調性XとYがD接続するとき、X⇒Yと表記する
DmからGへの接続は、Dm⇒Gで表記される
小調性XとYがL接続するとき、X→Yと表記する
AmからGへの接続は、Am→Gで表記される
小調性XとYがD接続でもL接続でもないとき、XーYと表記する
CからE7への接続は、CーE7で表記される
これらにより、コード進行が「⇒」「→」「ー」によって表記される。
Am、G、C、E7、Am…を繰り返すコード進行は、
Am→G⇒CーE7⇒Am→G⇒CーE7⇒Am…
と表記される。
その他定義
その他、表現としてよく使用する定義を記載する。
進行することを引力を解消すると呼ぶ。
具体的な引力を指して「D接続」「D進行」「D引力を解消」のようにいうこともある。
C⇒F→G⇒CはCからFがD接続のD進行でD引力を解消している。FからGはL接続のL進行でL引力を解消している。いずれの接続も進行している。
進行の強さ
進行の定性的な表現として、「強い」「弱い」がある。
複数の引力が重なる接続は物語の進行感が大きい
物語の進行感が大きいことを、「進行が強い」「強い進行」と呼ぶ
Am⇒DmはD引力のみ、G⇒CはD引力とT引力の解消である。後者の方が進行が強い。
EmーCはT引力のみ、Dm→CはT引力とL引力の解消である。後者の方が強い進行である。
なお、あくまで定性的な中に順序を与えうるものとして、一般的に以下が言える。※一概には言えないため参考程度である。準公理としたい
D進行はL進行よりも強い
まとめ
まとめると次のようになる。
- 調性内引力には3種類(T引力、D引力、L引力)あり、D引力、L引力は中心音に関係なく各音に働いている
- DmからEmへはL引力が働いている
- 引力とは心の「こっちに進んでほしい」という心の期待である
- 各引力のとおりに接続したとき心は満足する
- 各引力のとおりに接続することを、「進行する」「引力を解消する」と呼ぶ
- DmからEmへ進行する。この接続はL引力を解消する。
- 進行しない接続のことを、停滞すると呼ぶ
- EmからGへ接続し停滞する。
- D進行は「⇒」、L進行は「→」、それ以外は「ー」で表す
- Dm→EmーG⇒Cというコード進行表記
- 複数の引力を解消する接続は、進行が強い
- EmーCよりもG⇒Cの方が進行が強い
次回は進行の型について記述し、進行しないケースの重要な「進行保留」という公理について記述していく。
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