7CM理論-停滞(d型接続)
ここから先は、新しい理論体系『7 Color Materials』の内容となります。従来の音楽理論等や、聴いてる人の感情から逸脱するような表現や整理が生じる可能性がある点、ご理解の上読み進んでいただきますようお願いします。
記事の構成、内容、公開スコープは予告なく変更することがあります。
停滞の中で一番強力な接続型であるd型を見ていく
前回までに、以下がわかった。
- D接続(5度下接続)は強い進行感を生む
- L接続(2度上、2度下接続)も強めの進行感を生む
- D接続とL接続のことを進行と呼ぶ
- 進行以外の接続のことを停滞と呼ぶ
- 停滞の中でも接続先の度数によって引力保留が変わる
最後の点、変わってくる引力保留によって停滞の中でも性質が変わってくる。今回はその一番強いケースを記述する。
定義
前回定義を再掲する
6度上への接続型を16型あるいは31型と呼ぶ
特にd型接続とも呼ぶ
簡易度数類の数字で図示すると、下図の黒い矢印の接続である(1度からの例)
バリエーション
もう少し具体的に見ていく。
簡易度数類
簡易度数類による実際のバリエーションは以下になる。
- [1]ー[6]
- [2]ー[7]
- [3]ー[1]
- [4]ー[2]
- [5]ー[3]
- [6]ー[4]
- [7]ー[5]
in CNM
in CNMにおけるサンプルを記載する。
- [C]ー[A] ※CーAm等
- [D]ー[B] ※DmーBdim♭5 、DmーG/B等
- [E]ー[C] ※EmーC等
- [F]ー[D] ※FーDm等
- [G]ー[E] ※GーEm等
- [A]ー[F] ※AmーF等
- [B]ー[G] ※Bdim5ーG等
性質
引力
16型(31型)である[1]ー[6]の引力を見ると次のようになる。
- [1]の引力は[2][7]:L引力、[4]:D引力
- [6]の引力は[7][5]:L引力、[2]:D引力
重複している引力先は[2]と[7]である。下図では下段の[1]にフォーカスした図である。
各引力先毎に引力(心の期待値)がどう変化しているかを見ると次のようになる。
- [2]への期待:[1]時点ではL引力程度、[6]時点ではD引力まで強まった
- [7]への期待:[1]時点ではL引力程度、[6]時点でもL引力程度で同等である
先の図で言えば、前者は[2]に向かって[1]から黄色い矢印(L引力)が出ていたが、[6]からは青い矢印(D引力)になった、ということである。
上記からわかるように、[1]から[6]に接続することで
- 一度進行感を停滞しつつも一連の流れ感は持ち、更に
- [1]→[2]のL引力期待感を
- [6]⇒[2]のD引力期待感にまで強める
という状態である。[7]に対する期待感は同等のため、単にお預けした形である。
薄ら抱いていた
・L引力 × 2
を、d型接続することによって
・L引力 × 1
・D引力 × 1
に強化する
聴感的性質を見ていく。
性質
d型接続は進行ではなく停滞である。停滞することで進行感を損なう反面、保留引力の強化(LからDへ)により次への期待値を高める接続型である。
d型接続は、進行保留定理の引力を強める
①CーAm⇒Dmと②CーC→Dmを比べてみる(下にサンプル有)。
X=(CーAm)という団子で捉えると、
・①X⇒Dm
・②C→Dm
は一連の流れとして同等に感じ、前者はCーAmのAm時点で停滞しているとはいえ、その時点でDmへの期待感が高まるように感じ、ぐっと流れる感じを得る。
[1]から[6]への接続は、[6]への接続時点で流れを停滞しつつも、引力を保留し[1]と[6]2つの団子で次を期待するような流れとなる。(上記例ではCとAmを団子と見てDmへ向かう一連の流れ)
次の例では、d接続されることで与える小調性への影響を見る
in CNMにおいて、
・①G⇒Cと接続(D進行)した場合
・②Dm→Cと接続(L進行)した場合
・③EmーCと接続(停滞)した場合
を比較する。このとき①、②はCでの安定した終止感を得られる。一方で③についてはC出現時に少しの唐突感がある(=①②程の進行感を得ない)。ここで終わりか、というと若干心がまだ続きを欲してるようにも感じる。欲する続きを満たすサンプルが④である。
どうだろうか。いわゆる「文脈」で片づけられるコード性質の深堀である。
上記例に見たように、この接続は接続先の聴感を左右する。特に接続先が、全ての引力が集中する先である中心音であっても(いわゆるトニックと呼ばれるものであっても!)、まだ動き足りない感・次のどこかに行きたい感をわずかに保有させる。このことから次の定理が得られる。
d型接続は、接続先の小調性に更に進行したい感を発生させる
d型接続のdは、動的(Dou-teki)、Dynamic、ドミナント(Dominant)的など頭文字のDを意味している。
まとめ
まとめると次のようになる
- 6度上/3度下の接続を16型/31型/d型接続と呼ぶ
- d型接続前後での共通引力先は2度と7度である
- d型接続前でL引力を感じていた2度方向は、d型接続後にはD引力へ強まる
- d型接続は停滞接続であり、進行感を停滞させるが、上記よりd型接続の団子で次への進行力を高める
- d型接続により、接続後の小調性に「まだ次へ動きたい」感を発生させる
- d型接続は動的/Dynamic/Dominant的という意味でd型と呼ぶ
次回はs型接続について見ていく。
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