7CM理論-機能分類
ここから先は、新しい理論体系『7 Color Materials』の内容となります。従来の音楽理論等や、聴いてる人の感情から逸脱するような表現や整理が生じる可能性がある点、ご理解の上読み進んでいただきますようお願いします。
記事の構成、内容、公開スコープは予告なく変更することがあります。
機能(引力)視点で7CMの音たちを分類する記号(シンボル)を定義する。最終的にいわゆるT/D/S/SDm/Dmの背景の合理的分類をする。
方針
調性世界では中心音とその関係がすべてである。ここからは、7CM各音に対して「中心音に対して引力がどうか」で機能を類別していく。分解の種類としては以下4種類となる。引力の強さについては別で評価する。
最後にも述べるが、この時点の話は単一7CMの話であり、現実的に自然に生じる多層的調性の機能については応用編にて述べる(例えばCNMの中で平行調ANmを感じてその機能をCNM側のものとして見る、など)
定義
おことわり
話が前後するが、この先しばらくは機能=ベース音のこととして見ていく。そのため、G7の機能を語るときは「G音の機能」というベース音視点の表現で記載する。
「E音 in CNMの機能」という表現は「ベースのE音 in CNM」を指すが、「Em7 in CNMの機能」と読み替えてもらっても差し支えない。
この理由およびその公理は後の手記で記載する。
機能
機能とは、音楽空間(音楽を聴いているときの心理状態)の中で、自身を包み込む出来事として描写され、「次にどうありたい」を感じさせるもの。
「到達!ここで終わりだ」や「さぁ次に行くぞ!」や「一旦ここで落ち着いてスタートしよう」などの心理状態を指す。
旧来のトニックは「到達した!」「安定した!」「このままでいたい」と言った類の出来事、ドミナントは「解決したい」「到達に向かおう!」と言ったトニックに進行したく感じさせる類の出来事など、機能=『どうある』『どうしたい』と心理を安定/突き動かす身の回りの出来事である。
7CM理論の機能はこれを
- 到達感があるか/ないか
- 到達でない場合、どの程度到達に向かいたいか
という到達までの度合いで分類する。度合いはこれまでに見た調性引力を元に定義しており、結果的に旧来の音楽理論での分解能(トニック/ドミナント/サブドミナント)が更に細かくなっている。
T:(到達)
中心音を機能的Tと分類する。到達・達成等のイニシャルTを採用。
調性引力①(中心音)を受ける側の音が持つ機能である。7CM内に1つのみ(=中心音)となる。
C音 in CNMの機能はT。それ以外のT機能はCNM内にはない。
D,d:(動)
中心音の5度上の音。完全5度のときD機能、それ以外の5度類(減5度や増5度など)の場合dと表す。動のイニシャルDを採用。
Tに対して調性引力②(5度下)を持つ音の機能である。7CM内に1つのみとなる。
G音 in CNMの機能はD機能。それ以外のD機能はCNM内にはない。
L,l:(隣接音)
Tに隣接する音。半音(短2度)隣のときは大文字L、そうでない場合小文字のlと表す。隣接音のイニシャルLを採用。
Tに対して調性引力③(隣接音、2度上下)を持つ音の機能である。7CM内に2つとなる。
D音(Dm7等)、B音(Bm7♭5等) in CNMの機能はL(l)機能。それ以外のL(l)機能はCNM内にはない。
S,s:(静)
T、D/d、L/lでもない音。Dの半音隣の時大文字S、そうでない場合小文字のsと表す。静のイニシャルSを採用。
E音、F音、A音 in CNMはS(s)機能。
各性質(引力考察)
T≒トニック
Tの定義から、性質としては到達感や安定感、終止感などが得られる。納得の音であり、コード理論でいうところのトニックの聴感に近い性質。
Tは到達感・安定感を最も得る音。
D,d≒ドミナント
各音に働く調性引力①(中心音)のほか、調性引力②(5度下)も中心音を指している音。そのため引力①+②でTへの引力が最も強い音。
Dは補正引力を経由しないため最も強く、Tへ進行しないと期待外れ感を感じるほどの強さを持つ。
一方でdは引力が弱く、引力②の影響を感じるとも多い。
Dは最も①への引力が強い。dは少し弱い(※)。
L,l≒ドミナントorサブドミナント
Tに対しては、調性引力①(中心音)+調性引力③(隣接音引力)が働き割と強い。一方で、調性引力②(5度下)の影響も受ける状態なので注意が必要。少しこの辺を見てみる。
引力②と③に引力強弱のバリエーションがあることは前回見た(調性引力②の場合は完全5度下か増減5度下かという違いによる強弱、調性引力③の場合は短2度隣か長2度以上の隣かという違いによる強弱)。
これを踏まえると、2×2の以下4つに条件分けされる:
- 1.Lかつ7CM内に完全5度下がある場合:
- 例えばB音(Bm7♭5等) in CNMにかかる引力を考えると
- C音への引力:①+強③(短2度)
- E音への引力:強②(完全5度)
- 例えばB音(Bm7♭5等) in CNMにかかる引力を考えると
- 2.Lかつ7CM内に完全5度下がない場合:
- 例えばD♭音(D♭M7等) in CPhrにかかる引力を考えると
- C音への引力:①+強③(短2度)
- G音への引力:弱②(減5度)
- 例えばD♭音(D♭M7等) in CPhrにかかる引力を考えると
- 3.lかつ7CM内に完全5度下がある場合:
- 例えばD音(Dm7等) in CNMにかかる引力を考えると
- C音への引力:①+弱③(長2度)
- G音への引力:強②(完全5度)
- 例えばD音(Dm7等) in CNMにかかる引力を考えると
- 4.lかつ7CM内に完全5度下がない場合:
- 例えばB♭音(B♭M7等) in CMixoにかかる引力を考えると
- C音への引力:①+弱③(長2度)
- E音への引力:弱②(減5度)
- 例えばB♭音(B♭M7等) in CMixoにかかる引力を考えると
これは調性引力の①+③ VS ② のどちらが引力が強いか話である。人の聴感やマインド状況、楽曲中の文脈や束ね方(和音)に依るものなので一概には断定できない、という前提であくまで一個の可能性例の話だけ記述しておこう。あくまでファジーなものとしたうえで。
[仮]1,2,4はTへの引力が強く、3は5度下が強い。
あくまでポイントは、大小あれども両方に主要引力が生じている、という点である。
LはTと5度下への引力を持ち、状況に応じてバランスが変化する。
レから見たドとソは同等くらいの引力(状況による)
シから見たドとミは、場合によってド、場合によってミが強い
レ♭から見ると、ドの方がソより強い
S,s≒サブドミナント
Tに対しては、調性引力①(中心音)くらいしか引力を持たない音。そのため穏やかな中立状態である。Tへの到達も穏やかなため、Tへ行く際にはLやDを経由すると強いモーション/ストーリーが得られる。
Sのときは、これに調性引力③(隣接音)の引力も加わるため、より一層D経由でTへ進行するモーションが満足する動きになる。
S,sはTへの引力が弱く中立的状態。Tへ向かう際LやDを経由すると強いモーション/ストーリーが得られる。
Sは特にDへの引力③が働くためD経由のTへの進行が強くなる。
違和感…?
ここまで読んで、実際のCNMを評価してみて違和感を感じた人もいるかもしれない。ラがTに分類されない?という点などである。
これについては、応用編の内容になるが「多層調性」という形で、CNMとANmを重ね合わせた調性で機能を見ていくから安心してほしい。
だって、ラと聞いてTと感じているとき、中心音をAに感じてる=ANmを感じてるでしょ?
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