7CM理論-幹音名

7CM理論-幹音名

ここから先は、新しい理論体系『7 Color Materials』の内容となります。従来の音楽理論等や、聴いてる人の感情から逸脱するような表現や整理が生じる可能性がある点、ご理解の上読み進んでいただきますようお願いします。
記事の構成、内容、公開スコープは予告なく変更することがあります。

7CM理論を進める上で、一番重要な調性。それを正しく把握するために必要な概念が幹音名である。もう本当にこれがないとこの理論は構築できていないってくらいの重要度。識別方法は別の章に記載する。

幹音名とは

音名を、#や♭の変化記号を省略して記載したものを幹音名と呼ぶ。

以下Wikitionaryより

幹音(かんおん)
音楽において、鍵盤上の白鍵の音、すなわち嬰記号や変記号の変化記号を帯びない音。ハ長調をなす。

wikitionary 幹音

上記以外の音は「派生音」という名称で、幹音を変化記号(♯、♭)で変化させた音として定義されている。

本理論では「この実音はどの音を変化させた音なのか」という点だけが大事になってくる。そのため幹音という言葉は、実音を表す言葉ではなく、実音の出身元を表す言葉とし、「幹音」あるいは「幹音名」という名称で表記する。つまり、幹音・幹音名とは音ではなくあくまで名称である。そのため、調は関係なく必ず白鍵盤上の名称となる。

ドの幹音名はドという名称、レの幹音名はレという名称

ド♯の幹音名はドという名称、ラ♭の幹音名はラという名称

幹音名は7種類

調性がある中で、楽音は、ある瞬間において7つの幹音名のいずれかに一意にマッピングされる。

調性については、前後するが次回の記事にて定義をする。楽音とは、調性を担う音、打楽器とかの音色やノイズ等を除いたメロディとなりえる音のことである。

楽音(がくおん)とは、一般的には楽器や人の声によって奏でられる「音楽の音」あるいは「音楽に使われる音」という程度の意味である

~中略~

規則的な振動が持続する音のうち、純音を除いたものを指す。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』楽音

この公理は言い換えると、次のようにも言い換えることが出来る。

  • 調性内の音は、7種類のいずれかの幹音名の変化形として表現される
  • 音楽には音楽的役割が7種類あり、調性内の音はいずれかを担う

以下のアニメーションは、さまざまな音階を7つの幹音で表現したものである。

アニメ:実音と幹音の対応例(CNM,GNM,FNM,CHm,ENM,C♯Hm)

最後、『ド』の音が「シ♯」…?

異名同音の区別

そして先の公理は、例えばソとラの間の黒鍵盤に対して、ある瞬間において幹音名がソかラのいずれか一方に定まる、つまりソ♯とラ♭という音高が同じものを、幹音が異なる別の音として扱うという主張である。

アニメ:実音と幹音の対応例(ソ♯とラ♭の区別)

異名同音は幹音名が異なる場合、別物として扱う。本理論では重要となってくる。

シ♯の幹音名はシ(ドではない)、つまりシ♯とドは別物

ファ♭の幹音名はファ(ミではない)、つまりファ♭とミは別物

他理論でも異名同音を区別していると思うが、「聴感には影響しないただのルール」として認識している人も割と多い。しかしこれは今後見えてくるが、聴感・感じ方に関わる繊細かつ重要な区別であるため、本理論では特に重要視する。

コード理論に慣れてる人向けへの例えでいえば、

  • CメジャーキーでのCコード
  • FマイナーキーでのCコード

これらが音高として同じ構成音でも聴感が違う、というのと同じ話である。12音音階は、7つの音を元に♯と♭の拡張表現で作られたもの、と考えても差し支えないくらい重要。

もちろんこの区別を感じ取った上で、敢えて区別せずに同じ音と見なす手法は有用である。その時の心理状態についても本理論では分析対象としている。

簡易度数類

一つ用語の定義をしておく。俗にいう度数は以下例のように様々ある。

1度、増1度、短2度、長2度、短3度、長3度、完全4度、増4度、減5度…

これらの装飾(増、減、短、長)を省略したクラス(類)を今後以下のように定義して扱っていく。

度数の装飾(増、減、短、長)を省略したクラス(類)を、簡易度数類と呼ぶ。具体的な度数を、X度類として表記する。

アニメ:簡易度数類

増4度も完全4度も4度類である。

増2度と短3度は同じ音高だが、増2度は2度類、短3度は3度類のため、別簡易度数類である。

幹音名と簡易度数類

幹音名の区別と簡易度数類の区別は一致する。つまり、幹音名を意識することは簡易度数類を意識することと同値で、音楽的役割を区別することと同値である。

ドは1度類、レは2度類、ミは3度類。

音高としてレ♯=ミ♭だが、前者は2度類で後者は3度類。別の音(役割)である。

補足

実音が7種類か

調性内の音階が7種類という主張ではなく、それら音の幹音名が7つ以下という主張である。

本理論では暫くは音自体も7種類以下のもので進めていくが、8種類以上の音を持つ調性についてもこの7つの単位で評価する。詳細は後述する。

Cメジャースケールの幹音名={、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ}の7種類

Aメロディックマイナースケールの幹音名={、シ、ド、レ、ミ、ファ、ソ}の7種類

Gメジャーペンタトニックスケールの幹音名={、ラ、シ、レ、ミ}の5種類

F琉球スケールの幹音名={ファ、ラ、シ♭、ド、ミ}の5種類

Eスパニッシュ8スケールの幹音名={、ファ、ソ、(ソ、)ラ、シ、ド、レ}の8…ではなく7種類

絶対音感の幹音

音高を完全に掌握する完全音感(俗に言う絶対音感)とは別に、幹音名称で音が語りかけてくる絶対音感がある。それは常に7つの幹音名称で語りかけてきて、異名同音を区別した結果を教えてくれる。そしてそれはちゃんと聴感の変化に対応した名称となっている。つまりソ♯と聞こえるときはその響きであり、ラ♭と聞こえるときはその響きとなっている。

この幹音の教えてくれるものが、7つの幹音を与える7つの背景音を基本単位とする本理論「7 Color Materials」の基盤となっている。

「えーでも幹音名で聞こえてこないよ!」って叫んでいる人へ。幹音で語りかけられなくても、この聴感の差を会得できるようにする手法も本理論で追求していくから安心してほしい。名称なんて聞き取れてなくても同じ響きを聴いているはずだから。

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  • 筆者
    月屑
新公理系の音楽理論『7 Color Materials』提唱者。本音楽理論と、その世界観を表現した物語小説『7CM』およびその解説を本サイトにて執筆・公開中。 月屑という別名義でも『Music STanDard In/Out』というサイトにて、従来の音楽理論寄りの『キミの音楽理論』や、楽曲の耳コピ分析等を執筆。
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