7CM理論-はじめに
ここから先は、新しい理論体系『7 Color Materials』の内容となります。従来の音楽理論等や、聴いてる人の感情から逸脱するような表現や整理が生じる可能性がある点、ご理解の上読み進んでいただきますようお願いします。
記事の構成、内容、公開スコープは予告なく変更することがあります。
本理論の目的、スタンスについての説明である。
はじめに
コード理論を一旦忘れる
本論では、コード理論の背景に潜む原理を明るみにする。本論を読み終えたとき、コード理論がより稠密な奥深いものになり、きっと新しい発想も生まれる(きっと!)
動機
コード理論は取っ付きやすく、手段としてとても秀でている。その優秀さ故に、一方ではいささか原理から離れた手法的に振る舞う面や、利便性を重視したがために軌道修正したような面も見て取れる。
7CMはコード理論を補強しつつ原理をクリアにし、感情分析としてはよりリアルに、創作手法としては新たなメソッドを追究するスタンスである。
コードを単位としない7CMは、例えばコード理論の以下のような煩わしさを解消する。
- コード主体で考えたいが、「メジャーコードは明るい」…など一概に言えないものが生じている(ヘ短調のCコードは暗いなど、ディグリーで解消)
- ハ長調のFmはサブドミナントFのマイナーでサブドミナントマイナー。OK、Dm7♭5やBdim7、G7(♭9)もサブドミナントマイナー?(概念拡張と名称乖離…)
- GAltの3音目は増2度でメジャーコード?短3度でもあるけど?(表記の捻れ、概念のしわ寄せ)
- ハ長調の中でのBdim7とG#dim7、音高は同一のコードだが響きが異なる点の類別しにくさ(異名同音意識で回避出来るが、同一視が主流?)
などなど。もちろんそのまま目を瞑っていてもよいのだが、背景に潜んでいる原理を追求しコード理論を補強することで、合理的な世界と新しい概念や手法を構築する。
7CM理論の柱
7CM理論の主な柱は以下2本柱+αとなる。(2019年末吉日時点。随時変更となる可能性あり。)
- 調性(7CM)
- 7CMの種類
- 光彩
- 調性重力
- 層・接着
- 機能(単音性)
- ベース(単音)
- 束(和音)
- 機能重力
- 時間(幹音変化)
- 幹音の決定
おおまかに、「1.調性」が音楽空間の世界観。いわゆる「キー」に相当する考えの詳細化。「2.機能」が音楽空間の出来事。いわゆる「コード」に相当する考えの詳細化。「3.時間」は補足概念。
詳細な目次はこちら。
概要
7CM理論の概要は、ざっくりと以下のようになる。
- (あくまで一旦コード理論の考えは忘れる(最重要!))
- 音楽とは音楽空間(=調性)とその中での出来事・ストーリー(=機能)であり、その2つの軸で分解して考察する
- 音楽空間として、調性の種類や性質、変化を考察する
- 音楽内の出来事として、機能の性質を考察し、コードの詳細を考察する
- 『調性』という世界の中で、『機能』というストーリーを掌握する形で細かく繊細に感情分析を行う
- コード理論の正当性を保証する(証明する)
- コード理論の飛躍を穴埋め補足する
- メソッド化し、コード理論から飛び出たアイデアを生み出していく
誤解を恐れずに言えば、コード理論はコードディグリー(=キーとコードの関係)で音楽状態の性質を語るスタンスで、コード1つで調性と機能を言及している状態。7CM理論は、これをそれぞれ『調性』と『機能』に分解してより繊細かつ自由に選択肢を広げていく理論である。
この『調性』を測る単位として今後『7CM』という概念を導入する。詳細は次回以降説明するが、名称の由来は『7 Color Materials』の略記であり、「7つの幹音名を与える7つの音(=7CM)が、音楽世界の調性をコントロールする」という発想である。
理論から一歩離れる内容になるが、この7CMの世界観については私の体験談である小説7CMに記載されているから是非ご一読を。通称『セブンシーエム』、『ナナシ―エム』または『ナナセンチ』と読む。
序論では、まずは必要な用語や概念を説明したのちに、詳細に入っていく。この7CM理論は現時点ではまだまだ簡素ではあるが、今なお発展している理論のため、適宜概念や公理、定理や用例等を追加・更新していく。
用語補足
音楽とは関係ない点で、本記事中で出てくる用語『定義』『公理』『定理』を念のために解説しておく。
「〇〇のことを△△と呼ぶよ」というもの。あくまで呼称に過ぎないので、音楽の本質とは別のもの
「〇〇のような性質が成り立つものとして話を進めるよ」というもの。公理内容自体の正しさの証明はできない。「なぜ〇〇?⇒なぜならば△△→なぜ△△?⇒なぜならば□□…と掘り下げていってそれ以上説明の出来ない最後の「なぜならば」の壁が公理。正しそうな事象のこと。
「〇〇は△△と□□の公理によって成り立つ」という性質。
簡単な例を示す。
トライトーンとは、半音6つ分の距離、またその関係にある2音のこと
トライトーンを聞くと不協和を感じツラさや嫌な感情を憶える
ドミナントセブンスコードはトライトーンを構成音として内包するので、少し濁った不安定な解決を望む響きとなる
もしこれが『トライトーン』という名前じゃなくても、音楽的性質には何も変化は生じないので、定義はあくまで呼称レベルの話。
公理は、『なぜ不協和に感じるかって言われると理由付けが難しいが、成り立ちそうなので一旦正しいものとして認めておく』というもの。それ以上なぜの掘り下げができない主張。
定理は、『不協和に感じる公理があるから不安定に響くといえるね』という主張。
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