7CM理論-Dom表記法

7CMをドミナント表記し、実用性/視認性を高める。

はじめに

ドミナント表記のメリット

7CMをドミナント表記(以降Dom表記)は、

  • 自然調性以外という傾性
  • ドミナントとしての傾性

という2つの傾性の重ね合わせを見る表記法である。この表記のメリットには以下がある。

  • 7つの具体的な音がDom表記により可視化される
  • 物語進行力(コード進行力)を高めるための多層調性がわかる
  • 上記転旋・転調のための効果的な手段が可視化される
    • Dom表記により触れるべき音が可視化される
    • Dom表記のコードで転旋・転調先がわかる

簡単に言えば『この表記で見ることで、調性の状態が掌握でき、また何をすれば調性がどうなるかが可視化される』ということだが、といっても何を言っているか現時点ではわからないと思う。定義→例という流れで2回に渡って見ていこう。

定義

表記法定義

コード表記に倣う形で、7音を羅列する形の7CM表記。基本的に、ドミナントを中心に表記する。シンボルは、セブンスコードとテンションの9th, 11th, 13thを括弧書きにする以下形式で表記する。

in Dom7(x9,y11,z13)
・Dom7:{5th,7th,2nd,4th}=D機能3度堆積4和音
・x:9thにつく臨時記号、なし/♭/♯のいずれか
・y:11thにつく臨時記号、なし/♭/♯のいずれか
・z:13thにつく臨時記号、なし/♭/♯のいずれか

Dom7は一般的なドミナントを包含する意味であることに注意。(マイナーコードもAlt7含む)

in G7(9, 11, 13)
={ソ、シ、レ、ファ、ラ、、ミ}
={、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ}
=CNMのこと

in E7(♭9, 11, ♭13)
={ミ、ソ♯、シ、レ、ファ、、ド}
={、シ、ド♯、レ、ミ、ファ、ソ}
=AHMのこと

in Gm7♭5(♭9,♭11,♭13)
={ソ、シ♭、レ♭、ファ、ラ♭、ド♭、ミ♭}
=GAltのこと

例からもわかるように、ドミナント視点で7つの音をすべて記載することになる。そのため7CMの構成要素が全てわかる表記となる。

基本表記との対応

7CM代表型の基本表記との対応は以下のとおり。

  • メジャー系
    • ⅠNM=Ⅴ7  ( 9,11,13)
    • ⅠHM=Ⅴ7  (♭9,11,13)
    • ⅠMM=Ⅴm7 (♭9,11,13)
    • ⅠWM=Ⅴ7♭5(♭9,11,13)
  • マイナー系
    • ⅠNm=Ⅴm7 (♭9,11,♭13)
    • ⅠHm=Ⅴ7  (♭9,11,♭13)
    • ⅠMm=Ⅴ7  ( 9,11,♭13)
    • ⅠWm=ⅤM7 (♭9,11,♭13)

後者のマイナー系をⅥm表記で書きなおすとこうなる。

  • マイナー系(Ⅵm表記)
    • ⅥNm=Ⅲm7 (♭9,11,♭13)
    • ⅥHm=Ⅲ7  (♭9,11,♭13)
    • ⅥMm=Ⅲ7  ( 9,11,♭13)
    • ⅥWm=ⅢM7 (♭9,11,♭13)

ここから表記上の規則性が見えてくる。

表記から性質を掌握する(主光彩)

Dom表記のDom7(x9,y11,z13)を分解して、7CM簡易度数類の数字で記載しなおすとこうなる。

  • Dom7={5, 7, 2, 4}
  • (x9,y11,z13)={6, 1, 3}

これを光彩で見るとこうなる:

  • Dom7={5, 7, 2, 4}
    • 上調柱(5th) :Ⅴroot
    • 主輝度(7th) :Ⅴ3rd
    • 下彩度(2nd) :Ⅴ5th
    • 上輝度(4th) :Ⅴ7th
  • (x9, y11, z13)
    • 主彩度(6th) :Ⅴ9th
    • 下調柱(1st) :Ⅴ11th
    • 主明度(3rd) :Ⅴ13th

ととなる。ここで着目すべきは、主光彩の掌握ポイントとして

  • 主輝度:Dom7がメジャーかマイナーか(長3度か短3度か)
  • 主彩度:9thが♭か否か
  • 主明度:13thが♭か否か

の3点を意識すれば掌握できる。

表記から掌握する(ほか応用)

いくつか有用な掌握法を記載する。

メジャー型/マイナー型:13th

主光彩で見たように、13thが主明度となる。つまり、13thを見れば7CMのメジャー型/マイナー型がわかる。

  • メジャー型
    • ⅠNM=Ⅴ7  ( 9,11,13)
    • ⅠHM=Ⅴ7  (♭9,11,13)
    • ⅠMM=Ⅴm7 (♭9,11,13)
    • ⅠWM=Ⅴ7♭5(♭9,11,13)
  • マイナー型
    • ⅥNm=Ⅲm7 (♭9,11,♭13)
    • ⅥHm=Ⅲ7  (♭9,11,♭13)
    • ⅥMm=Ⅲ7  ( 9,11,♭13)
    • ⅥWm=ⅢM7 (♭9,11,♭13)

ハーモニック:M3+♭9

光彩の

  • 主輝度が+
  • 主彩度が-

の状態のとき、半音3つ分のインターバルを持つ、ハーモニック●●固有の響きとなる。

in CHMやin CHmのラ♭(主彩度-)とシ(主輝度+)の距離

主光彩で見たようにこれは、

  • 主輝度+=Dom7がメジャー型(長3度)
  • 主彩度-♭9を持つ

のとして掌握できる。

  • ハーモニックなもの
    • HM=7  (♭9,11,13)
    • WM=7♭5(♭9,11,13)
    • Hm=7  (♭9,11,♭13)
    • Wm=M7 (♭9,11,♭13)
  • ノンハーモニックなもの
    • ⅠNM=Ⅴ7  ( 9,11,13)
    • ⅠMM=Ⅴm7 (♭9,11,13)
    • ⅥNm=Ⅲm7 (♭9,11,♭13)
    • ⅥMm=Ⅲ7  ( 9,11,♭13)

前者すべての7CMに「ハーモニック」という名前がついている

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  • 筆者
    月屑
新公理系の音楽理論『7 Color Materials』提唱者。本音楽理論と、その世界観を表現した物語小説『7CM』およびその解説を本サイトにて執筆・公開中。 月屑という別名義でも『Music STanDard In/Out』というサイトにて、従来の音楽理論寄りの『キミの音楽理論』や、楽曲の耳コピ分析等を執筆。
目次

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