第2転回形Ⅰ/Ⅴの正体(例:C/G in CNM)
旧来の音楽理論で言われていることで「え?なんで?」がすっきりしないことを7CM理論で紐解いていく手記である。
-M.Bourbaki-
注:本カテゴリーは、新しい公理系の音楽理論『7CM』の理論記事です。
Ⅰ/Ⅴ(C/G in CNM)の機能はトニックなのかドミナントなのか、その正体に迫る手記である。
一般的な感覚
コード構成音が同じ、ということで以下のように扱われることが多い
- Ⅰ=Ⅰ/Ⅴ
つまり、機能としてトニックという扱いがよく聞く感覚である。
旧来概念での記述
転回形について、旧来概念では以下のように扱われることがある
- Ⅰ/ⅤはⅠ/Ⅴ→Ⅴのセットでドミナントである
セットではあるが、ドミナント状態という主張である。
7CM理論での記述
これを7CM理論で記述すると次のようになる。
- Ⅴがベース域にない場合
- [ⅰ,ⅴ]が柱となり束を成し、Ⅰの機能(T機能)となる
- Ⅴがベース域にある場合
- Ⅴの機能(D機能)を持つ
- 上記に加えて、[ⅰ,ⅴ]が柱となり束を成し、Ⅰの機能(T機能)を副機能として持つ
これをin Cで書き直すとこうなる
- Gがベース域にない場合:T機能
- [c,g]が柱となり束を成し、Cの機能(T機能)となる
- Gがベース域にある場合:D機能とT機能
- Gの機能(D機能)を持つ
- 上記に加えて、[c,g]が柱となり束を成し、Cの機能(T機能)を副機能として持つ
音束公理を元に図示すると、1は下図のとおりとなる。
L4:メロディ層でのドミソが音束公理によりL3:機能層のC同等となる。つまりC/Gは音束としてベース域のCの機能(=T)を持つ。
そして後者2については下図のとおりとなる。
L3:機能層でG音が主機能を持つ。その上で、L4:メロディ層でのドミソが音束公理によりL3:機能層のC同等となる、という点は先ほどのものと同じである。
つまり、Gの機能(D機能:主機能)とCの機能(T機能:副機能)の複機能を持つ。
ベース域に単音がある場合とない場合の機能性の違いについては、理論については『機能の正体(詳細編)』の後半の例を、概論については『第27回-複機能状態』あたりを参照されたい。
第2転回形による一般的な機能の変化については(~今後記載予定~)を参照されたい。
まとめ
一般的な感覚、旧来概念で言われることを振り返ると次のようになる。
- Ⅰ/Ⅴ=Ⅰ(T)
- ベース域にⅤがないときの主機能
- ベース域にⅤがあるときの副機能
- Ⅰ/Ⅴ=Ⅴ(D)
- ベース域にⅤがあるときの主機能
ポイントはここにあり。
コードはコード構成音とその配置順序できまるのではなく、ベース域(L3機能層)のベース有無で決まる。
つまり同じC/Gでも、ベース音がない場合とG音がベース音となる場合で性質がやや異なる。もっといえばローインターバルリミットという概念は、ベース域に2音以上存在することで音が濁る⇒機能を破壊するリミットともいえる。
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