7CM理論-調性柱(モード)
調和のとれた合理的な調性を作ると、モード(ダイアトニック型)が現れる。
以降の倍音議論は「脳内でのピッチ補正が働く」前提で、完全なものではない。例えば、3倍音と12音平均律内の5度を同じに見なす話で、平均律かどうかはさておき楽音は12種類(オクターブ差は同一視)とするものである。
調和する調性を構築する
7CM概念のとおり、音楽世界は7つ以下の幹音名を与える音たちで成り立っている。これは7つ以上のこともある。その最小単位が7CMであり、これは7つの音である。
この7つの音について探究する回である。
中心音を囲う音たちを構成していこう。最も調和する7CMを追い求める。
調和の限界
調性の構築は音を積み上げた柱のようなものとして見る。柱は2倍音(オクターブ)の次に自然に発生しやすい3倍音(5度)を基準に積み上げる。
この積み上げ方には実は問題がある。5度というのは調和を優先した積み上げ方ではあるのだが、続けていくと12個の音が現れる。図でいうと赤い⑬の箇所までに音が12個出現している。
そして7CMは7音なので、図の緑の⑧つめの音に到達するまでに、どこかで完全5度の柱をねじ曲げて7つの音柱が完結するようにしたい。
前回の話のとおり、音楽的な音は簡易度数類で見れることが分かった。つまりこの5度柱も簡易度数の5度(減5度や増5度含める)をどこかに差し込むことで音楽的な調性崩壊は起きないはずだ。(とは言え完全五度が調和が取れやすいのは言うまでもない)
7音に閉じ込める
ここからは簡単のために中心音Cの世界で見ていく。
最後の妥協:Lyd
7つの音が現れるまで完全5度積み上げた形、これはCLydだ。
ファ♯まで素直に積み上げ、ファ♯からドまでは減5度だ。
これは1点問題がある。最後のファ♯が中心音ドとトライトーン関係で不協和となってしまう。そのせいでなんだか調性にキツさやギラつきを覚えてしまう。
Lydの問題回避:Ion(NM)
ではこれを回避するにはどうしたらいいだろう。そう、ファ♯の代わりにファとしてあげればいい。ファとドは完全五度、シとファがトライトーンだが簡易度数で5度という形の妥協点だ。
CIon、もう気づいているだろうが、これがCNMだ。
中心音ドからシまでは完全五度の柱、ドの上下も完全五度という最も調和の取れた形となる。最も合理的で自然な調性である原因でもある。
一段階ねじれを早く:Mixo
続いて柱をねじる箇所、すなわち簡易度数で5度とする場所を1段下げたらどうか。シ♭とする調性、CMixoの出来上がりである。ミシ♭間以外は完全五度である。
ここまででもしかしたらこんなことに気付いたりしたのではなかろうか。
- ねじれ(減5度積み)をずらすとモードが現れる。
- ねじれ(減5度積み)が下に行くほど穏やかさや丸み、陰りが出てくる。
この調性柱と「どこかを半音下げて、そこからまた完全5度で積む」という操作は、NMと同じダイアトニック型の転回になる。つまりモードがすべて出てくる。
そしてねじれが下に行くにつれて、段々陰りのようなものが感じられてくる。まるで光彩のような。
最初の短調:Dor
同様にねじれ箇所を下げていくと、次に最初の短調系スケールが現れる。CDorだ。
暗くなった中に少しギラギラした感じもある。あえてコード的なことを言えば、トニックCmの構成音ミ♭とラがトライトーンでキツい感じがある。
ギラつき回避:Aeo(Nm)
それをLydのとき同様に回避(ラをラ♭に)すると、CAeo=CNmとなる。
もっと光彩を下げる:Phr
そしてその下から捻れさせると、最後にCPhrが現れてくる。
基礎柱
この調性の柱は、音楽世界(ムジカ)を支えるものである。ねじれ箇所が下になるにつれて調性は傾き始め陰りを見せた。とはいっても調性破綻のしない、調和の取れた世界である。
これら調性は、中心音と完全五度の太い柱が支える調和の世界である。この2つの音が基本的な調性の柱であると捉えて、
- 中心音=下調柱 (今回のド)
- 5度音 =上調柱 (今回のソ)
と呼ぶ。
基礎柱を壊した世界
ここまででいわゆるモードとして知られているスケールが現れた。全て…と思いきや1つ足りてない。それはロクリアンである。
CLocを見てみると
このようになり、中心音すぐ上にて柱が既に歪んでいる不穏な世界、一方で歪みの上以降は完全五度でズレたまま綺麗に積まれてる。言い方を変えると、全ての音が中心音からズレている。そんな調性である。
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