7CM理論-調性重力と剥離
ドミナントがトニックを向く引力のように、7CMには調性重力が働く。
(狭義)自然調性剥離
自然調性で見たように、自然調性(NMおよびNm)はバランスの取れた自然な調性を持つ7CMである。裏を返せば、自然調性以外の7CMにはどこかに不自然さを憶えているとも言いかえれる。
この不自然さが音楽的に肝であり、自然な空間だけでは得られない雰囲気を与えてくれる。そのため、音によっては特性音という言葉で形容されることもある。
この「不自然さ」とは「似合わない」という意味ではなく、心に引っかかりを作るという意味である。つまり音楽として効果的に響くスパイスである。本7CM理論では、この音を調性から剥がれた音として表現し、以下を定義する。
自然調性NMから剥がれた音をNM剥離音と呼び、自然調性Nmから剥がれた音をNm剥離音と呼ぶ。これらを単に自然調性剥離音とも呼ぶ。
以下のアニメは、ラがCNMから剥がれてラ♭になる例である
in CNMでのラ♭ はNM剥離音である
in ANmでのドはNm剥離音ではない
自然調性剥離音と一般的な特性音は似て非なるものである。特性音はIon、Aeoにも定義されるが、自然調性剥離音はNM、Nmとの比較であるためIon(=NM)、Aeo(=Nm)には定義されない。
(狭義)自然調性重力
先の話の逆を辿るが、
- 自然調性剥離音が剥離した音に感じる
- その音に引っかかりを感じる
- その音を自然な音と感じていない
- その音に引っかかりを感じる
ということになる。それはすなわち、心が自然に期待している音の期待値が心の中にあって、その音ではない乖離感を心が感じているということを示している。
その期待値とは、自然調性の音そのものである。つまり、心は今聴いている剥離音を含んだ7CMではなく、自然調性を望んでいるということがわかり、以下が成り立つ。
自然調性から剥離した音を含む7CMは、自然調性への重力を持つ。
例えば、「CHMのラ♭の音がラに進みたがる」というような、剥離音自体が、同一簡易度数類の変化前の音に戻りたがるという意味ではない。L3-4実音層の話ではなく、「ラ♭がソに進んだ」としても、その背景の7CMとして心はCNMを望むという、あくまでL2レイヤーの話である。7CMが全体として自然調性に戻りたくなるという主張である。
F in CNM から Fm in CHMへ進行したとき、次の空間としてCNMを心が期待する。この次のコードがCであるときに、演奏者がCHMフレーズ(ドレミファソラ♭シド)を演奏するよりも、CNMフレーズ(ドレミファソラシド)を弾いた方が心の期待値にかなう。
この剥がれた音によって、調性の剥がれについても表現することが出来る。
自然調性から剥離音によって7CMが変化した時、その7CMは自然調性から剥がれた状態と表現し、剥離7CMと呼ぶ。
以下アニメは、in CNMにて剥離音のラ♭(Fmなど)を出現させることで、調性をCHMへ剥がす例である
(広義)調性剥離
自然調性からの差分で見るこの概念を、その他の調性基準へと変えることで拡張する。例えばCMixoのNM剥離音はシ♭であるが、作品を通してずっとCMixoな作品ではMixo状態が平常に感じることもある。そのときはCMixoから更に剥がれた音を剥離音と呼ぶこともある。
直前に馴染んだ7CM調性から剥がれた音を単に剥離音と呼ぶ。
ソ♯ラシドレミ~の後に聴こえたレ♯は剥離音である
直前の7CM調性を明示するときは、7CM名称+剥離音として表す。
in ADor直後に聞こえてきたレ♯はADor剥離音である
自然調性剥離音は広義の剥離音の一種で、元調性をNM、Nmとしてみた特別ケースである
(広義)調性重力
先の例のように、自然調性以外の7CMが基準となったときにも、大小の程度はあれども以下が成り立つことが多い。
元の7CMから剥離した音を含む7CMは、程度の差はあれども元の調性への重力を持つ。
自然調性への重力もあるため、変化後の7CMの方が自然調性に近い形の場合は元の7CMへの重力はさほど感じない可能性もある。
AHmの中でレ♯音が聞こえてAWm空間になったが、次にその中でレを聴いて剥離が戻った感覚(AHmへ戻った感覚)を憶えた。
また、狭義の剥がれた調性と同じように広義についても、以下の表現を用いる。
元の7CMから剥離音によって7CMが変化した時、その7CMは元の7CMから剥がれた状態と表現し、剥離7CMと呼ぶ。
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