7CM理論-自然調性(NM/Nm)

今後のための自然調性という定義と、その性質を覗き見る。
型としての自然さ
12個で1オクターブとなる音の集合の中で、7CMはそれこそ機械的に作り出せば多数定義することはできる。しかしそれは音楽的意味合いはあるのかというと「…」である。
これまで見てきた代表的な7CMの調性柱イメージを一部並べて見てみよう。これらは、音楽的によく使われる有用なものである。

自然さという冠を与えるにあたって、ここに「音楽的調和」というジャッジを入れる。この概念は既に調性柱(モード)で見たように「極力完全5度で積む」ような構成である。

例えばCHMの図と見ると、これは減5度が二か所(レ→ラ♭、シ→ファ)と増5度が1箇所(ラ♭→ミ)あるのでいびつで不安定な柱である。こういう風に見ていくと、やはり調性柱(モード)で見たLyd、Ion、Mixo、Dor、Aeo、Phr、そしてLocの7つが型としてもっとも調和的だということがわかる。これを自然調性型と呼ぶ。
中心音から完全5度を5回、減5度を1回順不同に積んで得られる調性の型を自然調性型と呼ぶ。
ダイアトニックスケールという名称に、メジャースケールとその転回系以外のものを含む流派もあるとのことなので、明確に類別するために「型の名前」として定義しておく。
7CMとしての自然さ
次は、自然型の中でも7種類あるLyd、Ion、Mixo、Dor、Aeo、Phr内での自然さ比較の話である。もったいぶらず言えば、結論としてはNMとNmが名前のとおり自然である(Natural Major、Natural Minor)。感覚としても妥当と感じるのではないだろうか。
NMとNmを自然調性と呼ぶ。
先に定義をして、性質を見てみよう。以下は自然調性型のすべてである。

これについても、調性柱(モード)で見たように
- 柱の折れる位置が上の方ほど、「中心音(下柱)からのずれ」は少ない
- しかしLydは中心音とトライトーン関係の音がありキツい
ため、Lydの次のIon(=NM)がこれらの中で一番当たり障りのない自然さを持つということが納得できるのではないだろうか。では次点を見てみよう。
次点のポイント:主明度視点
主光彩の中は「プラスなら全部プラス」「マイナスなら全部マイナス」と統一されていないと「明るいけどぼんやりしてる」「暗いけど鮮やか」のようなギャップが生まれる。言葉を変えると、感情の一貫性のために主光彩の3音はまっすぐな柱であってほしい。それを踏まえると次に自然さを憶える調性は、主光彩がすべて光彩マイナスとなっているAeo(=Nm)になる。

いやいや、「主」光彩なんて言葉の定義だけで、それを決めたのは人間でしょ?音楽的なのその判断は?って疑問もあるかもしれない。しかし主明度(3rd)は上調柱(5th)の次に調性を担う根幹として考えると納得感がある。
これまで、調性柱は「倍数が2の次に小さい素数3(≒5度)を基準」に積んでいる。いわば3倍3倍3倍…と1次元で考えてきた状態だ。その次に小さい素数は5倍(≒3度)であり、これも調性を支える大きな軸となることは間違いない。ただし3倍である5度の次点という立ち位置で。
これを考えると、主明度(3rd)はその他光彩となす音たちと比べれば、調性を支える柱側に最も近い音だといえる。その音の上下が減5度となる状況は抵抗感が生じ、落ち着きのある「自然さ」としては欠けて感じてしまうだろう。
したがって次に自然なものがNmだとわかる。
最も自然に感じる落ち着いた調性はNMである
2番目に自然な調性はNmである
NMを(狭義の)自然調性と呼ぶ。広義にはNmまで含めて自然調性と呼ぶ。
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