7CM理論-機能の正体(詳細編)
ここから先は、新しい理論体系『7 Color Materials』の内容となります。従来の音楽理論等や、聴いてる人の感情から逸脱するような表現や整理が生じる可能性がある点、ご理解の上読み進んでいただきますようお願いします。
記事の構成、内容、公開スコープは予告なく変更することがあります。
前回の概要のとおり、機能を「低音」「単音化」「束ね方」として見ていく。
大枠
7CMでは機能の正体を単音に求める。但し一定の条件下の話であり、鳴っている音全てを考察していくような話ではない。複数の音は、以降で説明する「単音化」の概念の中で機能を見る。
単音化とは、下図のムジカのイメージで言うと、複数のヒカリ(音)の集合体であるムジカの太陽=コダー(図のコードとかいてる団子)を1つのヒカリ(単音)として見るイメージである。
図では、コダー(コード)は
- 大きな緑
- 中くらいのオレンジ
- 小さな紫
のヒカリの団子であり、このヒカリを認識する意識の解像度を下げれば、合成色として1つのヒカリと見なせる。それが束の概念であり、その時重要なのが大きなヒカリ=ベースとなる。
もしこのイメージ図のコダー(コード)が1つのヒカリであれば、それは単純に単音として機能を見ればよい。
本論は単音化に落とし込んでの機能性の話となるため、この機能系のことを単音機能性と呼ぶ。
ざっくり言えば和音は
- [大]ベースの機能
- [小]束ねた見なし単音の機能
- 束単音のまとまり具合、感触
となり、大小機能(+感触)という整理になる。
調性機能①低単音の機能性
ある一定周波数帯域以下の音は機能を持つ。(楽器特性・音色特性・聞く人の特性など様々な要因に依存する)
佐賀県が好きで佐賀県の歌をベース一本で歌った人がいた。低音域1つで楽曲の調性感も物語感も表現できている。確か歌詞は「S・A・G・A 佐賀~」…
単音で機能を持つレンジの音のことをベースと呼ぶ。
ウッドベース四弦で弾いたEはベースである。ヴァイオリンの一弦で弾いたEはベースではない。
この識別は「その音だけの引力」と「その音が周りを巻き込んで向かいたくなる引力」を定性的に区別する敷居である。
in CNMにて十分高い域でのメロディのソは、全音を巻き込んでの動きたさ(背景のコード感などを変えたいという衝動)のエネルギーはないと感じる。(そのまま動かなくてもいいくらいに感じる。)
in CNMにてベースがソで止まるときの動きたさは、全体として動きたい(低いソはドを目指したい)と感じる。(そんなところで止まってくれるな、と感じる。)
この全体を巻き込んだ引力か否かという差をベースか否かの境界にしている。ただし、楽器特性・音色特性・聞く人の特性など様々な要因に依存するため、「E3が境界だ」などの定量的な明確な表現では定義しない。極論を言えば、バイオリン1本と歌い手というスタイルでもバイオリンが機能を有する聴こえ方も存在していると考える。
調性機能②束単音の機能性
音は複数重ねる(束ねる)ことで、単音とみなすことが出来る。ただし束ね方により性質が異なる。
これは「束ねると単音になる」ではなく「束ねると単音と見なす(ことで単音の機能を有する集合と見なせる)ことが出来る」という意味である。
パワーコードで弾いていた箇所をルートユニゾンで弾いても、ベースだけで弾いても楽曲は成立した。パワーコードは機能として単音へ見なすことが出来る。
ここからいくつか束の感触である性質について紹介をする。その中での注意書きにもあるが、束は「明るい」「暗い」等は持たずあくまで機能のエネルギーや感触にとどまる。明るさは光彩、ドミナント感の解決したさやサブドミナント的穏やかさ等の機能は単音化側に持つ。
完全5度束
ある音とその完全五度上の音はまとまって元の音の単音化束となる
ドとソの音は単音化ドになる。
完全5度束は安定してルート機能を支え、単体で動力を持たない。
減5度束
ある音とその減五度上の音は縛りすぎて纏まらずケバケバした束となる。
シとファの音は単音化シでありつつ、ケバケバ感触がいやである。
減5度束はケバケバして『次に進行したい』、強めの動力を持つ。
増5度束
ある音とその増五度上の音は緩すぎて纏まらず毛先フワフワした束となる。
ラ♭とミの音は単音化ラ♭でありつつ、フワフワ感触に不安を憶える。※束はしっかり単音機能を主張する棒であってほしい。
増5度束はフワフワとして『その場に留まるのは不安』、弱めの動力を持つ。
長3度束
ある音とその長3度上の音は纏まり、元の音のポジティブな単音化束となる
ここで言うポジティブは明るい等の光彩ではない。元の音の主張を強く前向きに押し出す、という意である。
Cコードは明るいか、に対して「長3度があるから明るい」と答える人も多いかもしれない。しかしin Fmのヘ短調においてはⅢであり、暗く感じると思う。つまり、長3度=明るいではない。
ドとミの音は単音化ドであり、前向きにドの機能を主張する太い束。
短3度束
ある音とその短3度上の音は纏まり、元の音のネガティブな単音化束となる
ここで言うネガティブは暗い等の光彩ではない。元の音の主張を弱弱しく穏やかに押し出す、という意である。
ソとシ♭の音は単音化ソであり、消極的にソの機能を主張する細い束。
長2度束
ぶつかる音である。短2度よりはひどくない。
束で心をノックされる感触。
長2度束は機能束ではなく、感触束である。
短2度束
ぶつかる音であり、長2度より濁るぶつかり方をする。
長2度束よりとがった束でノックされる感触。
短2度束は機能束ではなく、感触束である。
その他
上記に該当しないものは纏まらない。元の音の単音性を薄める働きとなる。
全般
全般的に音数が増えると
- 機能は薄まる
- 感触は増える
傾向がある。機能が薄まる理由の一つに、複数の機能束が出来てしまう点が挙げられる。
和音の構成音数が増えると、単音を見失い単音機能性が薄まる。
例
最後にいくつか例を挙げる
ベース:なし、転回:なし、分数:なし
ベースがないドミソ(C)はドの機能をポジティブに押し出している。ドの機能は7CMに依存する。例えば、in CNMのとき明るい終止のT機能をポジティブに押し出し、in FHmのときは暗くキツく尖る7CMの中で動き出したいD機能をポジティブに押し出す。いずれにしてもポジティブに押し出す。
ベース:なし、転回:あり(=分数:あり)
ベースがないソドミ(C/G)はドの機能をネガティブに押し出す。
ベース:あり、転回:あり(=分数:あり)
ベースがあるソドミ(C/G)はソの機能とドの機能(ポジティブ)の二面を持つ。ソの機能という観点で、コード理論側に還元するとGをsuspendedした状態、つまりGsus4,6という状態とも考えられる。そのため前回の記事にも書いたある聖書(理論)で言われる「Ⅰの第2転回系は一度Ⅴを経由する必要がある」の話につながる。すなわち「suspendedを一度解決しなさい」という話として。
ベース:なし、転回:なし、分数:あり
ベースがないドミファラ(FM7/C)は、ファのポジティブ(ファラド)とラのネガティブ(ラドミ)の機能混合であり、お互いに機能を薄め弱め合う。ケバケバとフワフワはないが、尖ったノック(ミファ)がある。
ベース:なし、3度堆積でない
ベースがないファソドはファ(ファド5度束)とド(ドソ5度束)の機能混合である。軽いノック(ファソ)がある。コード理論に還元すれば、ファ視点ではFsus2、ド視点ではCsus4状態である。
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