7CM理論-ダイアトニック型閉包
聴いていない音であっても、心が補完する。
前置き
本内容では、心が勝手に音を補うような表現を用いる。これは、
- 実際にその音が聞こえる
- 理論上その音を使わなければいけない
というものではない。あくまで
- その音を鳴らしたとき違和感が少ない
- その音は心の想定範疇の音
- 心がその音に対して準備万端身構えてる
- その音は心の想定範疇の音
という意味を込めて、心が音を補完しているという表現をしている。
したがって、その音を外す音使いについては「理論上誤り」を示すものではなく「その選択は心にギャップ・インパクトを与える表現」として考える。
自然調性型閉包
7CMはL2層の出来事であり、L2層は実音ではなく心の中の調性である。極端な話を言えば、その瞬間に実音を聞いていなくても仕上がっている世界である。
ここに1つ公理を記す。
6つ以下の音を聞いて調性を感じているとき、かつそれらの音を包含するダイアトニックスケールがいくつか存在するとき、心はそのいくつかの内の1つのダイアトニックスケールの音を補完する。
部分的な音の集合から、調性感を頼りに心が7CMの音を補うことを閉包をとると呼び、その7CMを元の音集合の閉包と呼ぶ
この条件を強め、かつ自然調性型の優位性を公理とすることで導かれるのが次の定理である。
6つ以下の音を聞いて調性を感じているとき、かつそれらの音を包含する自然調性が一意に存在するとき、7CMはその自然調性と同じ集合となる。
自然調性になる、ではなく同じ集合となるという点が注意である。閉包がNMやNmでなく、MixoやDorなどになることもある。
例を見てみよう。自然調性型は、五度圏にすると7つの音が連続する。五度圏上では自然調性型閉包をとる操作は、7つの連続音を選択することに等しい。
{ソ、シ、ミ、ファ}からなる音楽を聴いた
→ソに中心感のある調性を感じた
→{ソ、シ、ミ、ファ}を包含する自然調性は
・ CNM={ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ}
の1種類のみである
→4つの音を元に、心が閉包をとってド、レ、ラの音が補われた。
つまり閉包はCNMと同じ構成音を持ち中心音がソとなる7CM
→7CM=GMixoとなる。
実際にド、レ、ラの音が聞こえてくるわけではなく、ド、レ、ラのある調性内を感じるということである。
この心の期待感・閉包感を実感する例だとこうなる。
(先ほどと同じ){ソ、シ、ミ、ファ}からなる音楽を聴いた
→ソに中心感のある調性を感じた
→レ♯やラ♯の音を鳴らしてみて違和感を憶えた
→逆に同じ状況でレやラの音に触れてみたときに、
抵抗感や雰囲気を損なうことなかった
→心がレやラを期待していることがわかった
(=心が閉包をとってレやラを補っていた)
今度は閉包が一意に定まらない例を見てみよう。
Cペンタトニックスケール={ド、レ、ミ、ソ、ラ}を聴いて調性を感じている。このときこれを包含する自然調性は
・CNM={ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ}、
・FNM={ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ♭}、
・GNM={ド、レ、ミ、ファ♯、ソ、ラ、シ}
の3種類であり、7CMはこれのいずれかとなる。(人や環境、文脈等様々な要因に依存し、一意には定まらない)
嬉しいこと
手法編としては別にまとめるが、以下のような点をメソッドとして昇華できる。
- ある7CMを予期
- それに則りスムースな転調・転旋
- それを裏切りインパクトのある転調
- ペンタトニックな旋律に集中
- 気づかないうちに属調/下属調へ転調
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