第36回-s型の接続

7CMざっく理論-36-s型の接続

『7CMざっく理論』シリーズでは、根拠とか難しい説明をすっとばして、7CM理論とは何なのかについてざっくり概要を説明していくね。

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ざっくり接続編-目次

第35回-d型の接続では6度上への接続と、それによる聴感効果をみたね。

振り返り

そうだね。

例えばAm-F→Gという流れのように、

進行(Am-F→G)
図:進行(Am-F→G)はAmのGへの保留引力とFの直接引力を同時に解消する

Am→Gの2度下へのL引力進行せずお預け保留して、次のF→Gの2度上へのL引力に重ねる進行保留と、

進行(C-Am⇒Dm)
図:進行(C-Am⇒Dm)

C-Am⇒Dmのように、C→Dmの2度上へのL引力進行せずお預け保留して、次のAm⇒Dmの5度下へのD引力に重ねる進行保留があったね。

そうね。

2度下L引力を保留してd接続後に2度上L引力を期待
2度上L引力を保留してd接続後に5度下D引力を期待

という停滞しながらも元のL引力期待感L引力あるいはD引力まで強めるような接続だったね。。

今回は3度上への接続、s型接続と呼ばれるものを見るね。

D引力をL引力に弱める

さて、今回も聴感を借りるね。これはどんな感じかしら?

Dm⇒G7

音:Dm⇒G7

強いね、強進行ってだけある。

 Dm(それから)
―Dm(ぁ~)
→G7(こうなって~)

って感じかな。DmからG7へのD引力があって、物語が脈々と進行してる感じがあるね。

進行(Dm⇒G)
図:進行(Dm⇒G)

ありがとう。続いてDmを分割してFを挟んでみたらどう感じるかしら?

Dm-F→G7

音:Dm-F→G7

ふ~む。接続が増えたことによる念押しのようなインパクトは感じるけど、物語的には

 Dm(それから)
―Am(それから、なんだけどね
→Dm(こうなって~)

って感じかな。

なるほどね。

これを前回のように分析してみるとどうなるかしら。

えーっと、
 ①Dm-②F→③G
で、

①Dm⇒③GへはD引力だね。
②F⇒③GはL引力だ。

つまり、
『①保留引力=D引力』+『②直接引力=L引力』の進行保留を解決してるんだね。

進行(Dm-F→G)
図:進行(Dm-F→G)

そうね。

そして前回と同じように変化させたって見方をするとね、

・もともとD引力だった①を
L引力(+若干のD引力)まで②で引き下げた

とも言えるんじゃない。

そうか、ちょっと弱い方向にしてるのかな。

他の度数類だと

今回も他の度数に一般化しながら見てみましょう。

接続先が3度上になるので、in CNMで羅列すると

・C-Em
・Dm-F
・Em-G
・F-Am
・G-Bm♭5
・Am-C
・Bm♭5-Dm

の7種類ね。

うん。

今回の接続はなんていうの?

そうね、先に命名しましょう。

この【1度類-6度類】の3度上への接続を今後s型接続って呼ぶわ。

(理由は最後にね…)

3度上への接続をs型接続と呼ぶ

進行保留のパターン

一旦1度類を基準に【1度類-3度類】として見てみよう。

1度類にかかる引力は、

 ・L引力:2度類、7度類(下図の左右黄色矢印)
 ・D引力:4度類(下図の下段方向青矢印)

だね。

G-gravity and L-gravities around 1st(1度のL引力とD引力)
G-gravity and L-gravities around 1st(1度のL引力とD引力)

そうね。

続いて3度類の引力先は?

3度類にかかる引力は、

 ・L引力:2度類、4度類(下図の左右黄色矢印)
 ・D引力:6度類(下図の下段方向青矢印)

だね。

G-gravity and L-gravities around 3rd(3度のL引力とD引力)
G-gravity and L-gravities around 3rd(3度のL引力とD引力)

そうね。

さてそれじゃあ本題。

1度類から3度類に接続しました。このときの進行保留先は何になる?

figure.2 is common to 1 and 3 in s-connect(s型接続で2は共通)
figure.2 is common to 1 and 3 in s-connect(s型接続で2は共通)

こうなるから、共通する引力先の矢印は…間に挟まった2度類

【1度類-6度類】→【2度類

と(今度は間違えないぞ)

figure.4 is common to 1 and 3 in s-connect(s型接続で4は共通)
figure.4 is common to 1 and 3 in s-connect(s型接続で4は共通)

【1度類-3度類】⇒【4度類】

の2つだね!

こっちは最初に聞いた【Dm-F】→【G】の引力弱化ケースだね。

s型接続の進行保留はL引力とL引力

そうなの。

これを整理すると、s型接続(3度上への接続)は、

 ・2度上のL引力を2度下のL引力に換える
 ・5度下のD引力を2度上のL引力に換える

ということがわかるね。

s型接続は、文脈を保ったまま元の引力以下か同等にする接続なんだね。

そのとおり。

今回も注意だけど、ただしその次の音束(コード)で保留した進行をちゃんと満たしてあげないと…

引力解決を期待した心ががっかりしちゃうんだよね…汗

補足:s型って?

s型接続も停滞の一種。

つまり進行したときと比べると、進行感は得られないもの。

とはいえ、同じ文脈内であれば一度接続することで「引力先への打診」「念押し」はしてくれる。

とはいってもその期待感はd型接続ほどは強くないんだよね。

そうね。

なのでこの接続のことをd型のエネルギーと対比して
 ・静的(Sei-teki)
 ・静か(Shizuka)
 ・Static(静的)
 ・Stay(留まる)
 ・Stop(停止)
 ・Stagnation(保留)
 ・サブドミナント(Subdominant)的
などで形容して、頭文字のSをとってs型って呼んでるの。

停滞の中でも穏やかにその先にへのより進行感を保留しようとする停滞接続なんだね。

次回

さて、今回は停滞の一種であるs型接続(3度上接続)が、引力の期待を穏やかに保持する形で停滞する接続だってことを見たね。

次回はまた別の停滞接続であるs型について見ていくね。

またね!

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  • 筆者
    月屑
新公理系の音楽理論『7 Color Materials』提唱者。本音楽理論と、その世界観を表現した物語小説『7CM』およびその解説を本サイトにて執筆・公開中。 月屑という別名義でも『Music STanDard In/Out』というサイトにて、従来の音楽理論寄りの『キミの音楽理論』や、楽曲の耳コピ分析等を執筆。
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