第19回-掛け算7CM

7CMざっく理論-19-掛け算7CM

『7CMざっく理論』シリーズでは、根拠とか難しい説明をすっとばして、7CM理論とは何なのかについてざっくり概要を説明していくね。

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今回は7CMの合成となる掛け算7CMに関する話よ。

モード系7CMおさらい

前回、モード系7CMを見たね。

そうだね。モード系は、例えばCNMで言うと、白鍵盤を転回して

  CIon
 =DDor
 =EPhr
 =FLyd
 =GMixo
 =AAeo
 =BLoc

って得られるんだけど、

そういう見方よりも、

・CIon
・CDor
・CPhr
・CLyd
・CMixo
・CAeo
・CLoc

でどのように光彩が違うか、のような同じ中心音での比較・見方が大切って話だったね。

うん、まさにそう。

…なんだけど、今回最初に話したいのは

CIon
=DDor
=EPhr
=FLyd
=GMixo
=AAeo
=BLoc

の方の話なの。

え、そうなの?

どう大事なの?

じゃあ具体例を交えて見ていくね。

“借用”という“状態”

例えば、いわゆる音楽理論でいうドッペルドミナントを考えてみて。

in CNMでいつもはDm7の顔をしてたコードが、急にD7として表れてGに向かうあれだね。

FM7-Dm7-G7
FM7-D7-G7

そうそう。

これは、音楽理論では

 『Gキーからの借用』

と言われるよね。

一方で、このときの7CMはどうなってるかしら?

in CNM={ド,レ,ミ,ファ,ソ,ラ,シ}

が、D7={レ,ファ♯,ラ,ド}によって

in CLyd={ド,レ,ミ,ファ♯,ソ,ラ,シ}になるね。

鍵盤(CNM)
鍵盤(CNM)
鍵盤(CLyd)
鍵盤(GNM=CLyd)

あ、これはGNMを転回しただけで中身同じだね。

 CLyd={ド,レ,ミ,ファ♯,ソ,ラ,シ}
 GNM={ソ,ラ,シ,ド,レ,ミ,ファ♯}

そう。つまり、音楽理論で言うところの

『ト長調(Gキー)からの借用』

という状態(借りてきてると感じてる現象)は、

『in CからLydという7CMを通して、GNMという別世界を覗き見ている』

ということができるの。

えっとえっと、CLydという状態は、

 D7⇒G

という in GNMのコード進行・出来事を、あくまで中心音がCの世界からCLydとして見てる状態ってこと?

そのとおり。

なるほど。

じゃあ例えばよくあるところで言うと、 in Amのコード進行で、

 FM7 G7 Em7A7♭9 Dm

のような、A7からDmというセカンダリドミナントだと…

FM7-G7-Em7-A7♭9-Dm7…

いい例ね!

まさに、DHmの世界からの借用ね。7CMを通してDHmの世界を見てる、ってことになるの。

…あれ!?

でもそのDHmを除き見る7CMって何になるの?望遠鏡の「???」って…?

それがまさに今回の話よ。

“向こうの世界”の形

今見たように、別の世界のHmって気になるよね。

Nmからすると、
 ・Hm
 ・Mm
 ・Wm
のP型の多層って、
 ・Hm/Nm
 ・Mm/Nm
 ・Wm/Hm
のように「Nmを基準に変形した状態」なので、よく使われる世界になるの。

鍵盤(CNm)
鍵盤(CNm)
鍵盤(CHm)
鍵盤(CHm)

そうだね、

青の鍵盤「CNm」が基準となって、「CHm」は主輝度(7th)のシ♭が半音上がった状態だったよね。

鍵盤(CMm)
鍵盤(CMm)

MmはHmの主彩度(6th)のラ♭が半音上がった状態だし、

鍵盤(CWm)
鍵盤(CWm)

WmはHmの上輝度(4th)のファが半音上がった状態だから、すべてNmからの変形だね。

うん。同じように
 ・HM
 ・MM
 ・WM
も「NMを基準に変形した状態」だよね。

鍵盤(CNM)
鍵盤(CNM)
鍵盤(CHM)
鍵盤(CHM)
鍵盤(CMM)
鍵盤(CWM)
鍵盤(CWM)

そうだね、

今度は青の鍵盤「CNM」が基準となって、
・「CHM」は主彩度(6th)のラ
・「CMM」はCHMから更に主輝度(7th)のシ
・「CWM」ならCHMから下彩度(2nd)のレ
が半音下がる変形になってるね。

そうね。

この独特かつ有用な7CMも覗き込みたくない?

今回紹介する「掛け算7CM」はこれら「別の世界のP型多層」を覗き見るの。

W・M・Hも覗き込む

音楽的に意味ある覗き込みになるのかな?

じゃあ循環コード進行で試してみようね。

循環コード進行ってこんな感じのだよね。

C-Am-Dm-G

そうそう。

これを、次のようにしましょう。

C
C♯dim7
Dm
E♭aug/G

F♯dim7/E♭

C-C♯dim7-Dm-E♭aug

お、なんか甘美だったり切なさあったりでいい感じだね。

2つ目が短調ドミナントのような匂いで、4つ目がサブドミナントマイナーのようなにおい感じるなぁ。

いい嗅覚(鼻?耳?)してるわね。

ここで7CMの正解を書いておくわね。

C
 in CNM
C♯dim7
 in APhrHm
Dm
 in C | ANm
E♭aug/G
 in CLydHM

あ!出た!

2つ目の短調ドミナント感はHmだね!PhrHm…!?

そして4つ目のサブドミナントマイナー感はHMが正体だってことだね。これもLydHMってなってる。

大正解!

さて、定義をしましょう。

掛け算7CM~マイナー系

こっちのざっく理論では具体的に書いちゃうわね。

APhrHm: DHmの転回系よ。求め方は次の通り。

①APhrはDNmだね。
②DNmの世界でHmとなったものはDHmだね。
③ってことはAPhrHmはDHmと同じだね。

同じようにMmやWm、あとDorに対するHm、Mm、Wmも考えていくの。

APhrMm:DMmの転回系
APhrWm:DWmの転回系
ADorHm:EHmの転回系
ADorMm:EMmの転回系
ADorWm:EWmの転回系

なるほど。

ちなみに、APhrHMのようなメジャー系のものはないの?

それは定義してないよ。メジャー系は次のようになるの。

掛け算7CM(メジャー系)

CLydHM:GHMの転回系
CLydMM:GMMの転回系
CLydWM:GWMの転回系
CMixoHM:FHMの転回系
CMixoMM:FMMの転回系
CMixoWM:FWMの転回系

えっと考え方としては、例えば

①CLydはGNMと同じだね。
②GNMの世界でのWMはGWMだね。
③CLydWMはGWMの転回系だね。

って考え方だね。

その通り。

さて、これをANM基準で書くとこうなるね。

AMixoHM=DHM

うん。

さっきの話だけど、APhrHMってメジャー系を定義しようとしたらどうなる?

APhrHm=DHmだから、APhrHMだとDHMとしたいね。

…あ!

気づいたね。

そう、DHMをin Aから見たときって、既にAMixoHMとして同じものが定義されているの。

だから、PhrやDorとメジャー系の掛け算は定義不要になるの。

次回

次回は色々考えていたけど…総集編を気が向いたら書くね。

じゃあね!

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  • 筆者
    月屑
新公理系の音楽理論『7 Color Materials』提唱者。本音楽理論と、その世界観を表現した物語小説『7CM』およびその解説を本サイトにて執筆・公開中。 月屑という別名義でも『Music STanDard In/Out』というサイトにて、従来の音楽理論寄りの『キミの音楽理論』や、楽曲の耳コピ分析等を執筆。
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